多くのエステサロンやスポーツクラブ、水素バーなどで導入されている水素吸引器「スイソニア」。
一台1,850,000円(税別)と高額なため業務用ととらえられがちですが、最近では個人で家庭用に導入する人も増えているようです。
今回はこのスイソニアについて、その特徴や使用した方の口コミをまとめてみたいと思います。
芸能人が使っているとTVで話題になったスイソニアってどんな水素吸引器?
2016年に放送されたTV番組「金曜★ロンドンハーツ」(テレビ朝日)のなかで、美容家のGENKINGさんがスイソニアを使用されているようすが紹介されていました。
番組のなかではロンドンブーツ1号2号の淳さんも「水素やべーー!!」と水素吸引の効果を実感されていたみたいですね。
▲こちらは別の番組ですが、GENKINGさんが「スイソニア」を使って水素吸引をされている様子を見ることができます。
この「スイソニア」は、水素吸引器としてどんな特徴があるのでしょうか?
特徴をまとめると、以下のようになります。
- 「電気分解」ではなく「過熱蒸気分解法」によって水素を発生させている
- 吸引できる水素ガスの濃度は0.3〜1.0%
- 研究開発から製造・検査・メンテナンスまで、すべて国内でやっている「純国産」
- ランニングコストは1日1時間使用で年間約16,800円(税別・ヒーターカートリッジ交換費用)+電気・水代
- 産学共同で、水素ガス吸引の人にたいする効果について研究をすすめている
では1点ずつ詳しく見ていきましょう。
❶スイソニアは「電気分解」ではなく「過熱蒸気分解法」で水素を発生させる。そのメリットは?
水素ガスを発生させる方法としてポピュラーなのは、水を電気分解する方法です。
スイソニアは電気分解ではなく、「過熱蒸気分解法」という独自の方法(国際特許出願中)で水素を発生させます。

電気分解とどう違うの??

正直難しくて完全にはわかってないんだけど・・汗
公式サイトによると「より安全な水素ガスを、安定した濃度で供給できる」というメリットがあるとされているよ。
水素分子(水素ガス)は水素分子で違いはないので、水素の発生方法によって水素吸引の効果が変わるとは考えられません。
なので違いがあるとすれば「安全性」や「安定濃度」といった部分になると思います。
スイソニアはこの点で優れているとされているんですね。
発生するガスの「水素純度」が高いとちょっと危険?
「隔膜式」「PEM式」などの電気分解で水素ガスを発生させる場合、電気分解で生じる水素ガスだけを取り出すため、
- 発生するガスの水素純度:99.99%
と、非常に水素純度の高いガスが発生します。
多くの水素吸引器では、このような水素純度の高いガスを発生させます。

水素は空気中の濃度が4%を超えると爆発の危険があるんじゃなかったっけ?

「発生するガスの水素純度が高くても、すぐに空気に混ざって水素濃度は4%以下になる」・・・だから基本的に安全ということなんだと思うよ。
とはいえ水素純度が高いガスが発生するということは、仮にすぐに空気に混ざらず、何かの間違いで狭い場所にガスがたまったりした場合、爆発の危険性がゼロではありません。
そこで安全性を考えて開発された水素発生方法が、スイソニアの「過熱蒸気分解法」ということのようです。
「過熱蒸気分解法」で発生するガスは「水素ガス:酸素ガス=2:1」の混合ガス
過熱蒸気分解法では、水を約700度まで加熱して水蒸気化し、水素ガス(H2)と酸素ガス(O2)に分離します。
水(H2O)から分離するので、混合ガスの割合は必然的に
【水素ガス:2 酸素ガス:1】
になります。
つまり発生ガス中の割合は【水素ガス:約66.7% | 酸素ガス:約33.3%】になるわけですね。
この混合ガスも、すぐに空気に混ざって「空気中の水素ガス:4%以下」になるわけですが、水素純度が低いため、何かの間違いで空気中の濃度が4%を超えるリスクは少なくなります。

むずかし・・で、わかりやすくいうと??

つまり、発生するガスが混合ガスなので、純度99.99%の水素ガスに比べると爆発のリスクがぐっと下がるということだと思うよ。
❷スイソニアで吸引できる水素ガスの濃度は0.3〜1.0%
スイソニアは
「濃度3,000〜10,000ppm(=0.3〜1.0%)の水素ガスを安定的・持続的に発生させる」(公式サイトより)
とされています。
これを見てちょっと意外に感じました。
なぜなら私も使っているポータブルな水素吸引器「H2ヒーラー」でも「濃度10,000ppm(1.0%)以上」あるからです。
▼「H2ヒーラー」についての記事

2016年12月に「先進医療B」に指定され、全国の医療機関で行われている「水素ガス吸入治療」の場合の水素濃度は
- 慶應義塾大学病院の水素ガス吸入治療:2%水素を18時間吸入
- 大阪大学呼吸器外科の水素ガス吸入療法:1.3%水素を24時間吸入
となっており、家庭用の水素吸引器としては1%は十分な濃度といえます。
が、業務用で使われることがほとんどのスイソニアは「もう少し高濃度で2%くらいあるのかな・・?」と思っていました。

スイソニアは水素濃度そのものがとりわけ高いわけじゃないんだね。

そういうことになるね。
❸スイソニアは「純国産」
スイソニアのメーカーは「株式会社アースエンジニアリング」という会社で、スイソニアの研究開発から製造・検査・メンテナンスまで、すべて国内でやっています。
高額な製品なので、何かあった場合の修理対応なども国内の専門チームが対応してくれるというのは安心ですよね。
❹ランニングコストは1日1時間使用で年間約16,800円+電気・水代
水素吸引器は「本体が安くてもランニングコストが高い」ものもあったりするので、ランニングコストには気をつけたいです。
スイソニアのランニングコストはというと、
300時間使用ごとに交換が必要なヒーターカートリッジ代:1回分13,800円(税別)
となっています。
1日1時間使用するとすると、年間コストは約16,800円(税別)ですね。
あとは電気代と水代のみで使用することができます。
産学共同で、スイソニアの人にたいする効果を研究
スイソニアのメーカーである株式会社アースエンジニアリングは、九州健康福祉大学との産学共同で、スイソニアの人への効果について研究しています。
規模はそれほど多くはないものの、以下のような臨床試験の結果も公開されています。
『水素ガスを含む蒸気混合ガス吸入後の唾液バイオマーカーの解析』(九州健康福祉大学リポジトリ)
水素吸引によって、生体の免疫力を増強する作用があることを示唆

実際にスイソニアを使った効果を研究してるんだね。

こういう研究があると、より安心して使えるよね。
❺スイソニアの使い方
スイソニアの使い方です。(画像・映像は旧タイプのスイソニアFRJ-03)
❶電源スイッチをオン。
❷精製水またはミネラルウォーター(軟水)を約800ml、何回かに分けてタンクに注入。
❸注水完了。タンクの水は週一回程度交換します。
❹タッチパネルで吸入時間タイマーをセットして、開始ボタンを1秒長押し。
❺スイソニアが始動し、約20分たつと「水素ランプ」が点灯、ブザー音がなります。
❻タイマーがスタートし、水素を含んだ蒸気スチームが吸入可能になります。
❼専用のカニューラを鼻に装着します。
❽カニューラのチューブを本体のチューブ取り付け連結部に接続します。
スイソニアのスペック

価格 | 1,850,000円 |
品番 | FRJ-X |
吸入水素ガス濃度 | 0.3〜1.0% |
定格電圧 | AC100V |
定格消費電力 |
800W
|
重さ | 約12kg |
サイズ | 幅240mm×奥行325mm×高さ475mm |
メンテナンス品 | ヒーターカートリッジ: 300時間の使用で交換(1回分13,800円) |
保証期間 | 1年 |
(価格は税別表示)
まとめ
今回は主に業務用で使われている「スイソニア」がどんな水素吸引器なのかについてみてきました。
調べて意外だったのは、やはり水素濃度が思ったほど高くなかったという点。
業務用としてのメリットは、水素濃度というよりも「長時間何人もの人に使い続けられる機械としての安定性」にあるのかもしれませんね。