≫放射能対策と水素水についての研究論文①|水素水が精子と造血機能をまもる
▲こちらの記事に続いて、放射線にたいする水素水の効果についての研究論文を詳しく見ていきたいと思います。
水素が放射線照射によるダメージから心臓を保護する
今回取り上げる論文はこちらになります。
「放射線を照射されたマウスにおける、水素の心臓保護効果の可能性について」
The potential cardioprotective effects of hydrogen in irradiated mice.
Qian L1, Cao F, Cui J, Wang Y, Huang Y, Chuai Y, Zaho L, Jiang H, Cai J.
ところでこういった放射線の影響に関する研究論文を見ていると、水素水の説明でおなじみの悪玉活性酸素「ヒドロキシルラジカル」の名前がひんぱんに出てくることがあります。
放射線によるダメージの多くがヒドロキシルラジカルによって引き起こされることは、よく知られたことなんですね。
概要
ほとんどの放射線によるダメージはヒドロキシルラジカル(活性酸素)によって引き起こされ、水素がヒドロキシルラジカルを選択的に減少させることはすでに実証されています。
心臓への放射線照射は、慢性心疾患を引き起こす可能性があります。
この研究は、使いやすい水素水(水素分子が飽和状態の純水)が、マウスへの放射線照射による損傷に対して心臓を保護するという仮説をテストするために設計されました。本稿では、水素が心筋のマロンジアルデヒド(MDA)、8-ヒドロキシ(8-OHdGの)のレベルを減少させ、生体内で心筋内因性の抗酸化物質を増加させることで、放射線傷害による心筋の変性を保護することを実証しています。
わたしたちは、水素が放射線誘導性の傷害に対する心臓保護効果を持っていることを提唱します。
内容
水素の放射線にたいする保護機能を評価するため、マウスに7gy(7000ミリシーベルト相当・人間でもほぼ100%死亡する)のコバルト60ガンマ放射線を浴びせ、その後30日間に渡ってマウスを観察。
「水素水を与えたマウス」と「水素水を与えていないマウス」で、生存率を比較しました。
結果
マウスの生存率は次のような結果となりました。
●「水素水を与えていないマウス」の90%が放射線照射後13日後までに死亡。
●「水素水を与えていたマウス」の80%は放射線照射後30日間生き延びた。この結果、水素分子は放射線による傷害からマウスをまもる効果があったことが確認できる。
▲7gy(7000ミリシーベルト相当)の放射線を照射した後の生存率。
水素水を飲ませたマウスとそうでないマウスのあいだにこれだけの差が生じています。▲左の画像:水素水を摂ったマウスの心筋細胞(放射線照射から100日後)
右の画像:水素水を摂らなかったマウスの心筋細胞(放射線照射から100日後)右の「水素水を摂らなかったマウス」の心筋細胞には空胞が形成され、細胞の機能が低下しています。
この研究も人間を対象にしたものではないので、直ちに「水素水に効果がある」ということはできません。
ですが同じ哺乳動物であるマウスにたいしてこれだけの保護効果が見られたということで、人間にたいしても効果があるのではないかと期待してしまいますよね。
たとえ被曝したとしても今できることをやろう
放射線被曝や内部被ばくの問題に触れると「どうしようもない」という気になってしまいますが、「死ぬはずのマウスが死ななかった」というこうした実験の結果を知ると、今できる対策をしていこうという気力もわいてきます。
こういった情報が少しでも多くの方に共有され、水素水の可能性についての研究もさらに進んでいくことを願っています。