近年、医療の世界でも広まりをみせている「水素ガス吸入療法」が、緑内障や白内障といった眼科領域でも新たな可能性を開きつつあるのをご存知でしょうか?
私たちの目は日々、【紫外線やブルーライトなど外側からの要因】【加齢による内側からの要因】によって常に『酸化ストレス』にさらされており、それが緑内障や加齢黄斑変性症といった深刻な眼疾患の一因となっています。
そこで、強力な抗酸化作用を持つ水素が注目を集め始めているようです。
今回は、従来は治療が難しかった疾患を含むさまざまな眼疾患に対して水素ガスがもらたしつつ新たな可能性について、実際のクリニックでの事例もご紹介しながら見ていきたいと思います。
また記事の後半では、自宅でのアイケアに対応した水素吸入器についてもご紹介しています。
水素ガスを活用したアイケアに興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
眼科領域で水素ガス療法が取り入れられ始めている理由
まず、なぜ眼科の領域で水素が活用され始めているのか、その理由からみていきましょう。
酸化ストレスと眼疾患の関係
水素ガス吸入を治療に取り入れている熊本県の「むらかみ眼科クリニック」村上茂樹院長は次のように語っています。
緑内障、白内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性などの中高年の視覚障害の主座を占める眼の成人病にも活性酸素(酸化ストレス)が深く関与していることが知られています。
(参考記事:眼科領域における水素ガス吸入の有用性|株式会社ヘリックスジャパン)
つまり、中高年になると増加する多くの眼の病気には、活性酸素による酸化ストレスが深く関わっているのです。
そこで、すぐれた抗酸化作用をもつ水素分子が活用され始めているんですね。
水素の抗酸化作用
水素は体内で発生する有害な活性酸素、特に最も悪影響を及ぼす『ヒドロキシルラジカル』を選択的に除去する能力があります。
村上院長は、水素の効果について次のように説明しています。
高濃度水素ガスを吸入することにより、最も悪い悪玉活性酸素(ヒドロキシラジカル)を水素が選択的に結合して無害化することで、眼を含めた全身の各疾患に極めて広い分野でその有用性を発揮し、しかも医薬品よりもより顕著な効果が認められることがこれまで研究で詳細に報告されています。
このような水素ガスについてのエビデンスをもとに、『中高年の視覚障害をもたらす眼病を防ぎ、また、進行を抑える治療法として』水素ガスを導入されているそうです。
それでは次のセクションで、水素ガスを具体的に眼科領域での治療に活用している2つのクリニックの事例について見ていきましょう。
クリニックでの具体的な事例
ここでは熊本県の「むらかみ眼科クリニック」、そして愛知県の「セントラルアイクリニック」という2つのクリニックで、具体的に水素ガス吸入が眼科領域での治療に活用されている事例をご紹介します。
① むらかみ眼科クリニックの事例
むらかみ眼科クリニックでは、村上茂樹院長が開発した「水素ガス温熱眼科療法®」という独自の治療法を提供しています。
この治療法は、水素ガス吸入と近赤外線温熱療法を組み合わせたもので、具体的な方法は次のとおりです。
- 高濃度水素吸入機の大容量タイプで高濃度水素ガスを吸入し、多量の水素を体内に取り込む
- 首の根元にある星状神経節という領域への『近赤外線温熱療法』も併せて行う
この治療法により、悪玉活性酸素(ヒドロキシラジカル)を身体から消去し、排出することで免疫力を高め、また眼底の網膜の血流を改善して視神経のはたらきを高める効果があるとされています。
多くの患者さんから、
「眼と体がとても楽になり、視界も明るくなって気分まで良くなった」
という感想があるそうです。
(参考記事:眼の成人病を防ぎ抑える「水素ガス温熱眼科療法®」|株式会社ヘリックスジャパン)
村上院長は緑内障についての本も出版
村上茂樹院長は、この「水素ガス温熱眼科療法®」を含む緑内障の最新の治療法や予防法についてまとめた『緑内障防ぎ抑える最強療養法』という書籍も出版しており、緑内障に悩む方々にとって貴重な情報を提供されています。
②セントラルアイクリニックの事例
セントラルアイクリニックでは、高濃度水素酸素混合ガス吸入治療を行っています。
また水素ガス吸入だけでなく、以下の3つの方法を組み合わせた「トリプル療法」も行うことで、視機能を向上させることを目指しています。
- 鼻からの水素ガス吸入
- ゴーグルを使用した、結膜・角膜からの水素取り込み
- スーパーライザーによる星状神経温熱療法
ゴーグルを使って直接的にも眼に水素を注入してるのね。
クリニックの患者さんへの効果について発表
セントラルアイクリニックの渥美一成院長は、クリニックの患者さんたちに水素吸入でどのような効果があったかということについてまとめ、学会で発表されています。
発表によると、水素吸入療法によって
- 視力上昇
- 眼精疲労改善
- 眼圧低下
- ドライアイ軽減
- 網膜感度上昇
以上のような効果が確認されており、さらに全身症状の改善(睡眠改善、疲労減少、血圧低下など)も報告されています。
また、特に注目すべきは、緑内障や加齢黄斑変性症の患者さんに対する効果です。
渥美院長の発表によると、水素吸入療法によってこれらの疾患を持つ患者さんの網膜血流が改善され、視機能の改善につながることが示されています。
▼参考映像:セントラルアイクリニック 渥美一成院長による発表内容|YouTube
両クリニックで使用されている水素吸入器
ちなみに、上記2つのクリニックで使用されている水素吸入器はいずれも、株式会社ヘリックスジャパンの「ハイセルベーター」シリーズとなっています。
ハイセルベーターシリーズについての参考記事:ハイセルベーターET120(ET100/HX90/PF72)を体験してみた!|医療にも活用されているヘリックスジャパンの水素吸入器口コミ体験談
ハイセルベーターシリーズはがん治療などにすでに活用されているので、クリニックとしても導入しやすいというのがあるかもしれませんね。
水素ガス療法は自宅でも可能?アイケア対応の水素吸入器も
さて、眼科領域での水素ガス療法は、クリニックでの治療だけでなく、自宅での継続的なケアも重要視されています。
たとえばセントラルアイクリニックの事例では、自宅での継続的な水素ガス吸入が患者さんの症状改善に寄与していることが報告されています。
自宅での継続的な水素吸入による効果
渥美院長の発表によると、自宅で毎日2時間以上、または就寝時に水素ガスを吸入することで、一定の効果が得られていることがわかっています。
例えば、ある緑内障患者さんの場合、自宅での3ヶ月間の就寝時吸入によって網膜血流がほぼ正常の人と同じレベルまで改善したという報告があります。
(参考:高濃度水素 吸入前後の網膜血流の変化|YouTube)
自宅で毎日水素吸入を続けることによる効果が報告されているのね。
自宅でのアイケアに対応|オプションで『ゴーグル』がつけられる水素吸入器
このような自宅療法の可能性を踏まえ、いくつかの市販の水素吸入器にはオプションで「ゴーグル」が用意されています。
セントラルアイクリニックで実施されているような「ゴーグルを使った眼周辺部への直接的な水素注入」が可能になっているんですね。
この方法により、セントラルアイクリニックで行われている「トリプル療法」の一部を自宅でも再現することも可能になります。
以下に、オプション品としてゴーグルを購入できる水素吸入器をいくつか紹介します。
▼オプション品で『ゴーグル』がある水素吸入器一覧
品名 (クリックで詳細記事へ) | 水素ガス発生量 | 本体価格 | ゴーグル詳細ページ |
---|---|---|---|
ケンコス4 | 8ml/分 | 43,450円(税込) | https://amzn.to/3AMpXyl |
ドクター水素ボトル | 10.5ml/分 | 203,280円(税込) | https://pure-med.jp/products/dr-hydrogen-goggles |
シェルスラン・エレ | 150ml/分 | 327,800円(税込) | https://www.inter-christine.com/view/item/000000000120 |
シェルスラン・プロ | 300ml/分 | 495,000円(税込) | https://www.inter-christine.com/view/item/000000000120 |
ピュアラスキューブ プレミア | 250ml/分 | 448,470円(税込) | https://suiso-waterserver.com/shopdetail/000000000028/all_items |
Hhuhu【ふふ】 | 500ml/分 | 880,000円(税込) | https://www.inter-christine.com/view/item/000000000160 |
私自身もシェルスランでゴーグルを使用中
私も普段PCのモニターを長時間見ることが多いので、眼精疲労対策として水素吸入器にゴーグルをつけてアイケアを行っています。
現在使用している水素吸入器は、旧型のシェルスラン(水素ガス発生量100ml/分)で、ゴーグルもシェルスランシリーズ共通のゴーグルを使っています。
▼水素吸入器の鼻カニューラを取り付ける部分に、かわりにゴーグルの先のチューブを取り付けて使います。
ゴーグルを使用すると目がすっきりして疲れが取れる感覚があり、日々の眼の疲れ対策として役立っていると感じています。
シェルスラン(旧型)についての詳細記事:【使用中】【生産終了】水素吸入器シェルスランの口コミレビュー|選んだ5つの理由と使ってみて感じていること
日常的なアイケアのための水素ガス吸入
日常的なアイケアの必要性について、セントラルアイクリニックの渥美院長は以下のように指摘されています。
コロナ禍でのリモートワークの増加に伴い、眼精疲労、ドライアイの患者様が増えています。
また、中学生の40%、高校生の70%が裸眼視力1.0未満で、在宅、オンライン授業などで子供の近視化が顕著になっています。
(参考記事:高濃度水素・酸素混合ガス吸入治療|セントラルアイクリニック)
このような現代社会の課題に対して、水素ガスによるアイケアは一つの対策になる可能性があるのではないでしょうか。
水素吸入は長時間のスマホ・パソコン使用による障害【VDT症候群(Visual Display Terminals syndrome)】の対策としても期待されており、現代の生活習慣からくる不調全般に役立つ可能性があるのではないか・・?と個人的には期待しています。
参考記事:長時間のスマホ・パソコン使用による障害【VDT症状】に水素吸入が有効|摂南大とアトラグループによる実証研究|スイスピ
まとめ
以上、今回は眼科領域における水素ガス吸入療法の可能性について見てきました。
今回見てきたように、緑内障や加齢黄斑変性症といった眼疾患の治療や予防に水素の作用が有効である可能性が示唆されています。
むらかみ眼科クリニックやセントラルアイクリニックでの取り組みは、この新たな可能性を示す先駆的な例といえるでしょう。
また、水素吸入器のオプションで【ゴーグル】が登場したことにより、自宅での継続的なアイケアが可能になったことにも注目したいですね。
増加傾向にある眼精疲労やVDT症候群への対策として水素吸入を取り入れる方も増えていきそうです。
今後さらなる研究が進み、眼科領域での効果についてより明確になることを期待したいと思います。