水素や水素水についての医学研究にたいする批判のなかには
「水素になんらかの効果があったとしても、プラシーボ効果にすぎない」
といったものがあります。
はたして水素の効果はプラシーボ効果だといえるのでしょうか?
今回はこの点について検証してみたいと思います。
プラシーボ効果とは?
「プラシーボ」とは「偽薬」のこと。
薬理作用がない「ただの白い粉」など(偽薬)を「〇〇に効く薬ですよ〜」といって飲んでもらうと、その暗示によって、薬を飲んだときと同じような治癒効果がみられることを「プラシーボ効果」といいます。
心理的な思い込みによって体によい影響がでるということですね。
水素の効果はプラシーボ?
水素製品の口コミをみると、
- 「体が軽くなった」
- 「花粉症がよくなった」
- 「1日働いても疲れにくくなった」
といった声がよくあります。
これらの口コミにたいして「プラシーボ効果でしょ?」という批判があるわけですが、たしかに
『水素を摂取した→体の変化を感じた』
というだけであれば、プラシーボ効果ではないことを証明することはできません。
バイアスがかかっている可能性も?
プラシーボ効果とは別に、なんらかのバイアスがかかっている可能性もあります。
バイアスがかかる、つまり何らかの偏見のなかで水素の効果を感じている可能性です。
たとえば
「あの有名人がいってたから〇〇の効果があるはず・・!」
→「なんとなく〇〇の効果があるような気がする・・」
こういうのですね。
水素の効果の口コミについては以上みてきたような「プラシーボ効果ではないか」「バイアスがかかっているだけではないのか」といった批判が後をたちません。
本当に水素の効果は思い込みにすぎないのでしょうか?
バイアスやプラシーボ効果を除外するための科学的な手法
こうしたバイアスやプラシーボの可能性を取り除くための手法として「二重盲検法」という試験方法があります。
二重盲検法
医薬の効果を客観的に検定する方法の一つ。被検者を2つのグループに分け,一方のグループには試験薬を,他方のグループには,外見や味が同じで,薬効と無関係なプラシーボ (偽薬) を与え,どちらのグループにどの薬を与えたかは,医師,被検者ともにわからないようにしておき,結果を推計学的に判定する方法である。
(ブリタニカ国際大百科事典より)
簡単にいうと、
- あらかじめ本物の試験薬とプラシーボ(偽薬)を用意し、
- 実験を受ける側(被験者)も実験をする側(医師)も「どっちが本物でどっちがニセモノかわからない状態」で試験をおこなう
ということですね。
この方法であれば「思い込み」が多少影響することが仮にあったとしても、本物の試験薬と偽薬の効果の違いははっきりさせることができます。
水素の研究はすでに二重盲検法でもすすめられている
そして水素の臨床研究(人にたいする研究)も、この二重盲検法を使った手法ですすめられる段階にはいっており、結果がでてきている状況です。
(参考:水素医療、大きく一歩前進:パーキンソン病患者への水素水の投与)
日本医科大学の太田成男教授によると、臨床研究については現在もどんどんすすめられているということなので、今後ますます「プラシーボとはいえない」水素の効果がはっきりとしめされてくる可能性は高いと思います。
動物実験でも効果を確認
また、思い込みの影響がありえない動物にたいする水素の効果は、すでに確認されているものが数多くあり、「間違いなく効果はある」といえるレベルになっています。
もちろん「動物に効果がある」=「人にたいして効果がある」とはいえませんが、「水素が生き物にたいして何らかの効果をもっている」ことはまちがいのない事実としてあるわけですね。
まとめ
ということで、
- 水素の効果について、動物実験においてはすでに確認されている
- 人にたいする臨床試験においても、プラシーボやバイアスの影響を受けない二重盲検法でもすすめられている
という2点から、水素の効果はすでに「プラシーボ効果とはいえない」という段階まで証明されてきているのではないでしょうか。
動物実験や臨床試験については現在も進行中のものが多くあるようなので、今後もさらに「水素の効果」についてのはっきりした結果がでてくると考えられます。