がん治療など臨床の現場で活用されている水素吸入器の代表格といえば、ヘリックスジャパン社のハイセルベーターシリーズが挙げられます。
ハイセルベーターシリーズは、がん治療で実績のある「水素ガス免疫療法」で有名な『くまもと免疫統合医療クリニック』など、複数の医療機関で導入されています。
今回、ハイセルベーターシリーズの全4機種【ET100/ET120/HX90/PF72】を無料で体験できるヘリックスジャパン社の「トライアルスペース銀座」に伺い、水素吸入体験のほか、各機器の操作・メンテナンス方法・導入方法などについても詳しく聞くことができました。
ハイセルベーターシリーズは高価格帯の製品ですが、その効果を求めてレンタルや購入する個人の方も少なくありません。
この記事では実際に体験してみた使用感や特徴、導入方法などについてもご紹介していますので、ハイセルベーターシリーズに興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
水素吸入器ハイセルベーターシリーズの概要
まずハイセルベーターシリーズ全4機種のスペックについて確認しておきましょう。
ハイセルベーターシリーズは以下のようなラインナップになっています。
機種名 | 水素ガス発生量 | 価格(税込) | サイズ・重さ |
---|---|---|---|
ET120 | 1300ml/分 | 2,750,000円 | 高760×奥行350×幅390mm/31kg |
ET100 | 1200ml/分 | 2,420,000円 | 高800×奥行360×幅425mm/39kg |
HX90 | 1000ml/分 | 2,090,000円 | 高345×奥行365×幅630mm/36kg |
PF72 | 850ml/分 | 1,650,000円 | 高530×奥行450×幅290mm/23kg |
さすがにそこそこのお値段ね・・!
そうだね。ただ「ET120」以外はレンタルも可能になってるよ。(レンタル価格については後述します)
ハイセルベーターシリーズの特徴
ハイセルベーターシリーズは、水素吸入器として以下のような特徴を持っています。
① 高純度の精製水を電気分解して水素を発生させる【アルカリ水電気分解のタイプ】
水の電気分解で水素を発生させる水素吸入器には大きく分けて2つの電気分解方式【PEM式とアルカリ水電気分解式】があり、ハイセルベーターシリーズは「アルカリ水電気分解」のタイプです。
② 水素酸素混合ガスを吸入する
アルカリ水電気分解の特徴として、発生するガスは「水素分子+酸素分子」の混合ガス(比率2:1)になります。
③ 使用1000時間または1年間の使用でメンテナンスを受ける必要がある
これもアルカリ水電気分解の特徴といえるかもしれませんが、使用1000時間または1年の使用ごとに機器のメンテナンスを受ける必要があります(有料/機種によって料金は異なる)。
以上がハイセルベーターシリーズ共通の特徴です。
では次のセクションから、実際に無料体験に伺った様子を見てきましょう。
水素吸入体験「トライアルスペース銀座」に行ってみた
株式会社ヘリックスジャパン直営の「トライアルスペース銀座」は、地下鉄東銀座駅直結の歌舞伎座の出口から徒歩1分、「医療ビル」という建物の4Fにあります。
水素吸入トライアルスペース銀座の情報
営業時間 | 平日:平日10:00 – 18:00(来店最終受付 16:00) 休:土・日・祝 |
---|---|
電話番号 | 03-6264-2755(予約は要連絡) |
住所 | 〒104-0061 東京都中央区銀座4-13-18 医療ビル4F |
ハイセルベーター全4機種が無料で体験できるトライアルスペース
医療ビル4Fにある「トライアルスペース銀座」の扉を開けると、モダンで落ち着いた雰囲気の空間が広がっており、そこにハイセルベーターの全4機種が置かれていました。
吸入体験のためのスペースには、ふかふかで快適そうな白いリクライニングチェアが並んでいます。
観葉植物や柔らかな照明など、細部にまでこだわった空間で水素吸入を体験できるようになっていました。
吸入体験だけでなく、スタッフの方から水素についてのいろいろな話も聞ける
またトライアルスペース銀座には複数のスタッフの方が常駐されており、水素吸入の方法についての説明だけでなく、水素についてのさまざまなお話も伺うことができます。
最新機種「ハイセルベーターET120」を体験させていただきました
私がおこなった今回の水素吸入体験ですが、主に最新機種の「ET120」を使わせていただきました。
ET120は従来の機器に比べ、以下のような特徴があります。
- シリーズ最大の水素ガス発生量1300ml/分
- タッチパネルでの操作
- 連続運転タイマーの時間を自由に設定可能
- 音声案内付き(音声はオフにもできる)
ハイセルベーターET120のスペック表
水素ガス発生量 | 1300ml/分 |
---|---|
サイズ | 高760×奥行350×幅390mm |
重さ | 31kg |
吸入時間設定 | 30分/60分/自由時間設定モード |
購入価格 | 2,500,000円(税別) |
水素ガス発生量が多い・・!
重量もこれまでの主要機種だった「ET100」に比べ、約8kg軽量化されていますね。
ハイセルベーターET120の使い方
使い方の説明を受けながら、いよいよ実際の吸入体験を行いました。
以下がハイセルベーターET120を使用する手順になります。
(電気分解のための高純度精製水はすでに入った状態です)
発生するガスの湿度を調整するための「湿潤カップ」に市販のミネラルウォーターを指定の量入れ、ET120本体にセットします。
湿潤カップに「延長チューブ」または「集水ケースのチューブ」を取りつけます。
「延長チューブ」または「集水ケースのチューブ」に、鼻カニューレを取り付けます。
本体背面にある主電源スイッチをONにします。
通常使用しない時も、背面の主電源は基本的にONにしたままで大丈夫です。
タッチパネルを操作し、運転モードを【30分/60分/連続運転】から選びます。
連続運転の場合、30分の水素生成と2分間の冷却運転を繰り返します。
最後に水素ガス発生ボタンを押すと、水素吸入が始まります。
運転モードで指定した時間がたつと、自動で水素ガス発生はストップします。
(または水素ガス発生【START/STOP】ボタンをもう一度押しても止まります。)
以上がハイセルベーターET120の使用方法でした。
細かいところは最新機種のET120のみ異なる点はありますが、基本的にはどの機種も同様の操作方法になります。
ハイセルベーターET120のメンテナンス方法は?
ハイセルベーターシリーズ共通ですが、
日々のメンテナンスとして、
- 湿潤カップを毎日洗う(ミネラルウォーターも入れ替える)
- 延長チューブの内側に水滴がついたら、付属の「水滴排出ポンプ」で水滴を排出する
- 「水不足」ランプがついたら、500ml/本の専用精製水を1本補充する
そして使用1000時間ごと(あるいは1年ごと)に、
- 本体をヘリックスジャパン社に送り、メンテンナスをしてもらう
ということが必要になります。
使用1000時間ごとにメンテナンスで本体をメーカーに送るって大変じゃない・・?
昔は大変だったそうだけど、今はヤマト運輸のサービスで「ユーザーさんは何もしなくても梱包して持っていってもらえる」そうだよ。
ちなみにメンテナンス費用はET120の場合で38,500円(税込)となっており、メンテナンス中の代替機の貸出は11,000円(税込)で対応しているそうです。
ハイセルベーターET120で水素吸入してみた体感はどうだった?
ハイセルベーターET120で水素吸入を体験したときの、個人的な体感についても触れておきましょう。
ハイセルベーターET120の『水素ガス発生量:1300ml/分』というのは、私がこれまで体験したことがある水素吸入器の中では最大の水素ガス発生量でした。
また「水素+酸素混合ガス」でこれだけの流量のものも初めてです。
これだけのものを吸ってみた体感はどうだったでしょうか?
体感的にそれほど大きな変化は感じなかった
今回は静かに座って水素吸入をしたわけではなく、取材ということもあって様々な水素についてのお話を伺いながらの吸入体験でした。
そのせいもあったかもしれませんが、これまで過去に「初めて300ml/分の水素ガスを吸ったとき」「初めて500ml/分の水素ガスを吸ったとき」に感じたようなはっきりした体感の変化は感じませんでした。
過去に多めの量を吸って体感の違いを感じたときはいずれも「水素ガスのみ」の吸入器だったので、ハイセルベーターのような「水素ガス+酸素ガス」ということが吸入時の体感の違いにつながっている可能性も、もしかしたらあるかもしれません。
あくまで個人的な体験談です。
ハイセルベーターが活用されている領域について
水素吸入体験をしながら、ハイセルベーターにまつわる水素の話についてもいろいろと伺いました。
ここでハイセルベーターという水素吸入器が活用されている領域についてまとめてみましょう。
ハイセルベーターは、医療現場から研究機関まで幅広い分野で活用されています。
① がん治療の分野
がん治療の分野では『くまもと免疫統合医療クリニック』の赤木純児院長が「水素ガス免疫療法」の一環として導入し、多くのがん患者、特に標準治療で行き詰まった患者の方たちに希望をもたらしています。
この治療法は赤木医師が理事長を務める、新設された『TOKYO免疫統合医療クリニック』でも行われており、同様の成果を上げています。
さらに、鳥取の『よろずクリニック』や岐阜の『船戸クリニック』など、他の医療機関でもがん治療の一環として活用されています。
②眼科の分野
眼科領域では、むらかみ眼科クリニックやセントラルアイクリニックがハイセルベーターによる水素ガス吸入を取り入れており、「正常眼圧緑内障」といった、現在これといった治療方法がない病気にたいしても効果が期待されています。
③スポーツ医学の分野
水素吸入はスポーツ医学の分野でも注目を集めていて、ハイセルベーターも活用されています。
山梨大学で小山勝弘教授(現山梨学院大学教授)によって行われた研究で、水素吸入により、激しい運動による酸化ストレスと筋肉損傷が有意に低下し、運動パフォーマンスが改善されたことが示されています。
このような背景もあり、トヨタ自動車の駅伝チームがリカバリーのためにハイセルベーターPF72を採用していたり、また2021年の箱根駅伝で3位に躍進した東洋大学のチームもハイセルベーターを活用しており、話題となっています。
『起床は朝4時半!箱根駅伝ランナーの1日を紹介』
https://runnet.jp/smp/topics/report/231221.html
④研究分野
ハイセルベーターは研究分野でも活躍しており、山梨大学では水素吸入が身体に及ぼす影響について研究が行われ、30分の水素吸入で副交感神経が優位になることなどが確認されました。
>>Hycellvator ET100による水素吸入が生体に及ぼす急性効果
また、東京大学やタイのチェンマイ大学でも、ヘリックスジャパン社と共同でハイセルベーターを用いた研究が進められています。
へ〜、ハイセルベーターは本当にいろんな分野で活用されているんだね。
ただ、これだけ治療現場や研究現場での実績があり「業務用」というイメージが強いハイセルベーターシリーズですが、実際の購入・レンタルについては圧倒的に「個人の方」が多いそうです。
次のセクションでは個人でのハイセルベーター導入方法について確認してみましょう。
ハイセルベーターを自宅で使う!個人での導入方法
ハイセルベーターの導入方法については大きくわけで
- レンタル
- 購入
という2つのパターンがあります。
それぞれの詳細についてみてみましょう。
①レンタルの場合
レンタルの場合、まずレンタル期間を「3ヶ月/6ヶ月/12ヶ月」の3パターンから選びます。
(期間が長いほど、1ヶ月換算のレンタル料金が安くなります)
▼それぞれの機種/期間によって、以下の総額を一括払いで支払います。(最新機種のET120のみ、まだレンタルには対応していません)
レンタル期間 | PF72 水素ガス発生量850ml/分 | HX90 水素ガス発生量1000ml/分 | ET100 水素ガス発生量1200ml/分 |
---|---|---|---|
3ヶ月 | 169,950円(税込) | 197,010円(税込) | 229,350円(税込) |
6ヶ月 | 306,900円(税込) | 354,420円(税込) | 425,700円(税込) |
12ヶ月 | 547,800円(税込) | 629,640円(税込) | 547,800円(税込) |
レンタルの場合、1000時間ごと(または1年ごと)のメンテナンス時には機体の交換が行われるので、期間をあけずに水素吸入が続けられます。
また3ヶ月レンタルの場合は以下の特典がつきます。
3ヶ月レンタル終了時に新品の購入を決断した場合、新品の購入代金から「3ヶ月分のレンタル料金」(保守費は含まない)が割引になります。
こちらの特典もついているせいか、やはり3ヶ月レンタルの方が一番多いそうです。
② 購入の場合
購入の場合は各機種以下のような価格になっています。
機種名 | 水素ガス発生量 | 価格(税込) | サイズ・重さ |
---|---|---|---|
ET120 | 1300ml/分 | 2,750,000円 | 高760×奥行350×幅390mm/31kg |
ET100 | 1200ml/分 | 2,420,000円 | 高800×奥行360×幅425mm/39kg |
HX90 | 1000ml/分 | 2,090,000円 | 高345×奥行365×幅630mm/36kg |
PF72 | 850ml/分 | 1,650,000円 | 高530×奥行450×幅290mm/23kg |
購入の場合は、1000時間ごと(または1年ごと)のメンテナンス時に、機体をメーカーに送ってメンテナンスしてもらう必要があります。
メンテナンス費用として別途38,500円(税込・ET120の場合)がかかり、メンテナンス期間中に代替え機をレンタルする場合はさらに別途11,000円(税込・ET120の場合)が必要になります。
レンタルにしても購入にしてもなかなかの高額ですが、法人や施設への導入よりも圧倒的に個人のお客さんが多いと聞いてびっくりしました。
まとめ
以上、今回はヘリックスジャパン社の水素吸入器「ハイセルベーターシリーズ」で水素吸入できる「トライアルスペース銀座」での体験を中心に、ハイセルベーターシリーズの詳細についてお伝えしました。
全般的な感想として、「トライアルスペース銀座」での無料体験は、水素吸入に興味がある方にとって非常に価値があると感じました。
最新機種のET120を含む全4機種を試せるだけでなく、知識豊富なスタッフの方から水素についての詳しい説明を聞くこともできます。
また落ち着いた雰囲気の中で、ゆっくりと水素吸入を体験できる環境が整っているところも魅力だと感じました。
私自身、水素ガス発生量1300ml/分での吸入体験中に劇的な変化は感じませんでしたが、これは個人差があると思いますし、毎日続けることで感じられてくる効果のほうが大きいと思います。
とにかく、がん治療や眼科治療、スポーツ医学など、幅広い分野で活用されているハイセルベーターの最新機種を無料で体験できる機会がありがたかったです。
日本の健康寿命を平均寿命と一致させる|ヘリックスジャパン社の目標
ちなみに以前直接お話を伺ったのですが、ハイセルベーターのメーカーである株式会社ヘリックスジャパンの代表の方(有澤生晃社長/会長)は、
日本は健康寿命と平均寿命の差が10年もあって、死ぬ前に長い間苦しむ状況がある。この状況をなんとかしたい。
という志をもって、なんと80歳のとき(2015年)にヘリックスジャパン代表取締役に就任し、ハイセルベーターの製造販売を開始されたそうです。
そして「日本の健康寿命と平均寿命を一致させる」ことを目標として掲げられています。
このような志があるからこそ、ハイセルベーターもここまでの広がりを見せているのではないでしょうか。
水素吸入に少しでも興味がある方は、そんな志のあるメーカーが作った高性能な水素吸入器、ハイセルベーターをぜひ一度「トライアルスペース銀座」で体験してみることをおすすめします。
直接体験することで、自分に合うかどうかの判断材料も得られるかもしれません。
水素吸入トライアルスペース銀座の情報
営業時間 | 平日:平日10:00 – 18:00(来店最終受付 16:00) 休:土・日・祝 |
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電話番号 | 03-6264-2755(予約は要連絡) |
住所 | 〒104-0061 東京都中央区銀座4-13-18 医療ビル4F |