水素吸入器を選ぶとき、
やっぱり国産だと安心。国産が一番。
と、条件のひとつに「国産(日本製)」を挙げられる方も少なくないかもしれません。
ですが実際の水素吸入器市場の現状をみてみると、必ずしも「国産/日本製と表示されている製品がベスト」とは言えない状況があります。
今回はこの点について詳しく見ていきたいと思います。
❶ 水素吸入器の生産技術は台湾が進んでいる
まず水素吸入器の生産、特に水素ガスを発生させるコア部分の生産技術については、台湾が進んでいるという現状があります。
台湾が進んでるって、ちょっと意外・・
台湾は半導体産業が進んでいて、その影響があるみたいだよ。
半導体生産で世界トップを走る台湾の技術力
台湾は、世界最大の半導体受託製造企業である「台湾積体電路製造(TSMC)」を有し、半導体産業で世界トップクラスにあります。
その半導体製造に必要とされる高精度な技術力と開発力が、同じく精細で高度な技術を必要とする水素吸入器やそのコア部分の開発にも活かされているようで、「高品質でリーズナブル」な水素吸入器・コア部分のパーツが台湾で生産されているんですね。
実際のところ、「国産|日本製」の水素吸入器でも、水素を発生させるコア部分は台湾製の部品を使用しているケースが少なくありません。
▼「日本の水素吸入器メーカーが、台湾企業から【水素生成器の特許技術ライセンス】を3億円で購入した」ことを伝える台湾のニュース
へー!日本の水素吸入器メーカーが台湾から技術を買ってるのね!
上のニュース映像にもあるけど、水素吸入器の生産技術が進んでいるだけあって、水素吸入を日常に取り入れている台湾の人もけっこういるみたいだよ。
このように、水素吸入器については基本的に「台湾製が優れている」とも言える状況があるんですね。
❷ 「国産 / 日本製」だとしても、水素製品を専門的に作っていない中小企業による生産だったりする
次に、
「国産」だとしても、水素製品について専門性を有していないであろう中小企業に発注して生産されているケースもある
ということがあります。
「国産」と聞くと、高度な専門性と高い技術力をもった国内企業がつくっているというイメージをもたれるかもしれません。
が、たとえばある「国産」携帯型水素吸入器について調べてみると、水素製品についての専門性は持ってないであろう、主にクリニック向けの測定機器をつくっている中小企業が製造元だったりします。
▼ある「国産」水素吸入器の製造元「株式会社タイヨウ」
小さい・・
このようなケースもあるので、「国産」というラベルだけで判断するのは難しいことがわかります。
❸ 実質中国製の「国産 / 日本製」もあり得る
さらに「国産」というラベルによる判断を難しくさせる要因があります。
それは、
日本の法律では、製造の最終工程が日本で行われれば、「国産」「日本製」「Made in Japan」と表記できてしまう(!)
という事情です。
しかも「最終工程」の定義があいまいなため、
たとえば中国製の安価な部品や機器を利用して、
- 部品はすべて中国製で、組み立て作業のみ日本で行う
- 中国で製造したものを輸入し、検品と梱包のみ日本で行う(!)
↑このような製品も現状「日本製|Made in Japan」とすることができてしまうんです。(かなりグレーだとしても・・)
「日本製」として表記されていても「実質的には中国製」の水素吸入器もあり得るわけですね。
部品が中国製だとしても、たしかな技術力をもった国内メーカーが責任をもって国内工場で生産するケースもあるため一概に「よくないこと」だとは言えませんが・・
さすがに「検品と梱包だけ国内で行っている製品」を「日本製」と言われると、ちょっとモヤモヤしてしまいますよね。
ほぼ中国製の「国産品」はどうやって見分ければよいか?
中国のメーカーはピンからキリまであるので、すべての中国製を避けるべきというわけではありませんが、やはりメーカーの数が多い分「質のよくないメーカー」がけっこうあるのも事実です。
↑こちらの記事でも書きましたが、人体に適さない工業用部品が使用されている可能性もゼロではありません。
できれば避けたいというのはあるわね・・
ではどのようにして「ほぼ中国製」の「日本製」製品をみわければいいかというと、個人的には以下の点を気をつけて見るといいかな、と思っています。
- 価格と性能のバランス(安すぎる場合は注意)
- 第三者機関による発生するガスの成分表が公開されているか
- 発生するガスの水素純度
① 価格と性能のバランス(安すぎる場合は注意)
中国製の安い部品や機器を利用して「国産品」としている場合、販売価格は相場より低くなります。
とりわけ、代理店などを使って販売している(=中間コストがかかっている)にも関わらず安い価格設定の場合は、実質中国製である可能性は高いと思います。
② 第三者機関による発生するガスの成分表が公開されているか
安価な部品を使用している場合、発生するガスのなかに「有害かもしれない不純ガス」が混じる可能性が高まります。
ガスの安全性を確認するためには第三者機関による発生ガスの成分表が必要になりますが、このような情報がない場合は疑ったほうがいいかもしれません。
③ 発生するガスの水素純度
②と同じ話ですが、安価な部品を使用すると発生するガスの「水素純度」が比較的下がる事が考えられます。(水素純度が低い=その分不純物が混じっている可能性が高い)
水素純度の安全性の基準として参考になるのは、
(「太田成男のちょっと一言」より)
アメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)の安全基準では99.995%以上
というのがあります。
「国産」と表記されていて水素純度が「99.9%」くらいと比較的低い水素吸入器も見受けられますが、そういう製品はちょっと疑ってもいいかもしれないと思っています。
まとめ
以上、今回は水素吸入器の生産国表記について、国産・日本製がベストと言えるのか?という問題について見てきました。
まとめると、
- 水素吸入器やコア部品の生産は台湾が進んでいる
- 国産でも水素製品についての専門性を有さない中小企業が受注してつくっている場合もある
- 法律のグレーゾーンを突き、「実質中国製」でも「日本製」と表記されている製品もある
ということでした。
そのため、水素吸入器については
「必ずしも日本製がベストだとは言えない」
「日本製と表記されていても、製品のスペックや公開されている情報も見て、総合的に判断する必要がある」
といえる状況があると思います。
少しでも参考になれば幸いです。