水素吸入器のなかでも「コンパクトさ」「スタイリッシュさ」にすぐれている「ケンコス」シリーズ。
今回はケンコスシリーズの新製品「ケンコス3」について、
- 水素ガス濃度はどれくらい?
- メンテナンスやランニングコストは?
- 水素ガス吸引器としてどんな評価になるの?
といった疑問について、詳しくレビューしてみたいと思います。
ケンコス3(KENCOS 3)ってどんな水素吸引器?
ケンコスシリーズは「口から吸う」タイプの水素ガス吸引器です。
「ケンコス3」は、ケンコスシリーズのひとつ前のバージョン「ケンコス2s」に比べ、
- 新デザイン
- 水素ガス濃度は変わらず8ml/分
- サイズがさらにコンパクトに、重さも軽量化
- 日々のメンテナンスがよりシンプルに
- 値段は約45%ダウン
と、多くの面で進化したモデルになっています。
「ケンコス3-m」の「m」って?
ちなみに多くのケースで「ケンコス3-m」という商品表記がされています。
これはケンコス3の販売代理店として販売をおこなっている「マスプロ電工」モデルのケンコス3という意味で、付属品として専用のキャリーケースがついているという特徴があります。
マスプロ電工モデルはビックカメラやヨドバシカメラなどの大手家電量販店で販売されているので、「専用ケースがほしい!」という方は家電量販店で購入するとよいでしょう。
ケンコス3のスペック一覧
価格(税別) | 39,500円 |
水素発生量 | 最大8ml/分 |
水素ガス発生方式 | 電気分解 |
サイズ | 幅55x 高さ130.5x厚み24(mm) |
重量 | 110g (電解液とカートリッジ除く) |
充電時間 | 約2時間 |
フル充電での稼働時間 | 水素のみモード:約40分 通常モード:約20分 (※1回5分まで、連続吸引不可) |
材質 | ポリカーボネート |
充電端子 | micro USB |
電源 | 充電式リチウムイオン電池 |
ではケンコス3の特長をいくつかピックアップしてみましょう。
ケンコス3の特徴❶ 3つの吸引モード。煙が出るのは「フレーバー使用時」のみ。
ケンコス3には3つの吸引モードがあります。
- 水素モード
- フレーバーモード
- 水素+フレーバー併用モード
❶「水素モード」の場合、水素ガスは無色透明の気体なので煙のようなものは何も見えず、「味」もありません。
❷「フレーバーモード」では、白い水蒸気がたばこの煙のように発生します。(※水素は吸えません)
フレーバーは「キシリトールメンソール」「ビタミンレモン」「カテキングリーン」の3種類。
❸「水素+フレーバー併用モード」が、「水素ガス吸引をフレーバ付きでできる」ケンコス3の通常モードといえるでしょう。
ケンコス3はタール・ニコチンゼロ
見た目が電子タバコっぽいところから、「ケンコス3にはタールやニコチンが入ってるの?」と疑問をもたれるケースがありますが、タールもニコチンも入っていません。
ただ「フレーバーモード」使用時は見た目電子タバコにしか見えないので、まわりの人への配慮は必要になるかと思います。
ケンコス3の特徴❷ 安全性への配慮
ケンコス3はかなり小型なので、電気分解による水素発生時は「本体の過熱しすぎ」に気をつける必要があります。
そのための安全対策として、
- 本体を75度以上傾けると水素発生がとまる「ジャイロセンサー」内蔵
- 水素を5分以上発生させ続けると自動で停止する「過熱防止セーフティロック」
- 20分なにも操作しないと自動で電源がオフになる「自動電源オフタイマー」
このような機能がそなわっています。
ケンコス3の特徴❸ 2時間のフル充電で20〜40分使用できる
ケンコス3の電源はリチウム式の充電池。
約2時間のフル充電で、
- 水素モードのみの場合は約40分
- 水素+フレーバー併用モードの場合は約20分
の使用ができます。
1回の使用は5分が基本。連続吸引はNG!
ただし、1回の使用は「5分まで」というのが基本で、それ以上の連続吸引はNGとなっています。(※最低20分、間隔をあける)
これはおそらく本体サイズが小さいため、連続吸引すると発熱量に耐えられなくなる可能性があるからだと思われます。
ちなみに1日の推奨使用時間は「1回5分 x 4〜6回」とのこと。
だいたい1回のフル充電分を1日で使い切るイメージですね。
ケンコス3の特徴❹ スタイリッシュかつ「口から吸う」ので、外出先での水素吸引がしやすい
ケンコスシリーズの最大の強みは「スタイリッシュに水素吸引ができること」だといえます。
水素吸引器は「鼻から吸うタイプ」もあり、この場合鼻から吸うための専用のカニューラをつける必要があります。
外出先でひと目につくところで使うのはちょっと抵抗がある人もいるでしょう。
ケンコス3は電子タバコのような見た目なので、
「外出先でかっこよく水素吸引したい」
というニーズにはもっとも合った水素吸引器といえます。
ケンコス3に期待できる水素吸引の効果・水素ガス濃度はどれくらいなの?
「外出先でかっこよく水素吸引できる」といっても、いちばん大事なのは
「どれくらいの水素ガス濃度で水素吸引できるのか?」
というポイントです。
ケンコス3の水素ガス発生量を検証してみましょう。
ケンコス3の水素ガス発生量「1分間に最大8ml」ってどれくらい??
水素ガス発生量をどう判断するか?については下の記事で詳しく書いており、
- 250ml/分が一つの基準となる可能性(慶応大の研究)
- 業界団体は「200ml/分以上(200〜640ml/分)」推奨
- がん治療では1200ml/分前後が使用されている
- 多ければ多いほどいいとは言えない(個人的見解)
- ちなみに個人的には100ml/分を使用中、将来的には増やしたい
上のような内容について書いています。
上記の数字に比べると、ケンコスの水素ガス発生量は少なく見えるかもしれません。
ただ、一般的な携帯型水素吸入器の水素ガス発生量は5〜10ml/分程度なので、ケンコスの小ささを考えると、決して少ない水素ガス発生量とは言えないと思います。
ケンコス3の使い方
ではケンコス3の使い方を確認してみましょう。
ケンコス3を使う前に用意する必要があるもの
ケンコス3を使うためには、本体以外に用意する必要のあるものがいくつかあります。
■専用電解液(税別1,200円)は最初から別途購入する必要アリ
ケンコスを購入すると下記のようなセットが入っています。
- 本体(ダミーカートリッジ付)
- 電解槽
- USB充電ケーブル
- その他(説明書・保証書・ユーザー登録案内)
このなかには水素発生に必要な電解液やフレーバーカートリッジは入っていないため、最初から別途購入する必要があります。
前バージョンの「ケンコス2s」は初回分の電解液はセットになっていましたが、ケンコス3には付属していないので注意してください。
フレーバーカートリッジ(税別2,700円)も別売り
フレーバーカートリッジは「水素モードのみ」使用するのであれば必要ありませんが、
「無味無臭で煙(のような水蒸気)も出ないなんて、吸う気がしない!」
という方は別途購入していく必要があります。
USBポートがない場合は市販のアダプターの購入が必要
さらに充電ケーブルは「USBタイプ」なので、普通のコンセントから充電するにはアダプターを別途購入する必要があります。
ケンコス3の吸引方法|水素は水素ボタンを推している間だけ発生
ケンコス3で吸引するときは、モードにかかわらず、
- 吸うときだけ吸引ボタンを押す
- 吸い終わると同時に吸引ボタンを離す
という繰り返しになります。
これによってムダに電解液等を消費しないようになってるんですね。
水素を吸い込むときは、深呼吸をするようにゆっくり深く吸い込みます。
5分使用したら20分間をあける
またケンコスは5分以上の連続吸引はすすめられていません。(おそらく小型の機器で熱を持ちやすいためだと思われます)
1回5分使用したら20分はあいだをあけるようにして、1日4〜6回の使用が推奨されています。
参考動画|ケンコス2sスタートアップガイド
ひとつ前のバージョン「ケンコス2s」の使い方を解説した動画が公開されています。
ケンコス3についてはまだ準備されていないようですが、かなり参考になる部分もあるのでこの動画をみると使い方がイメージできると思います。
ケンコス3のいちばん気になるポイント|ランニングコストはどれくらいかかる?
ケンコス3は前バージョンのケンコス2sに比べ価格が約45%も下がり、とてもリーズナブルになっています。(39,500円+税)
「これくらいなら購入してもいいかな?」と感じられるだけに、気になるのが
「ランニングコストがどれくらいかかるのか?」
という点。
ケンコス3のランニングコストを計算してみた
ケンコス3を継続的に使っていくためには、次の3つが必要です。
- 専用電解液
- 電解槽
- フレーバーカートリッジ(水素のみで吸い続けるなら必要なし)
それぞれのランニングコストを確認してみましょう。
❶専用電解液
水素発生に必要な専用電解液は1,200円(税別)。
交換頻度については
「推奨している1回5分を1日5回の水素吸引の場合、15日で電解液を交換していただくことをお勧めします。」(まったく使用しない場合も30日で交換が必要)
と公式サイトにあります。
なので普通に使用すると1ヶ月2,400円+税、1年で28,800円+税となります。
❷電解槽
電解水を電気分解するための電解槽は、ひとつ6,700円(税別)。
交換頻度は「1日5分x5回」の使用ペースで約半年となっています。(使用頻度にかかわらず、気泡がでなくなったら要交換とのこと)
1年で約13,400円+税となりますね。
❸フレーバーカートリッジ
ケンコスシリーズは電子タバコっぽく使えるのが魅力です。(ニコチン・タールは入っていません)
そのための「フレーバー」と「水蒸気の煙」を出すのに必要なのがフレーバーカートリッジです。
上の画像のように3種類のフレーバー、
- キシリトールメンソール
- ビタミンレモン
- カテキングリーン
があり、それぞれ1箱に3本のフレーバーカートリッジが入っています。
1箱3本入りのお値段は2,700円(税別)。
そして1本のフレーバーカートリッジで600回吸引することができます。
■仮に1分間で6吸引(10秒で1回吸うペース)とすると・・
1日5分x5回吸引すると:1日で150吸引。
→1本のフレーバーカートリッジは4日分
ということになります。
1箱(=3本)で12日分という計算になるので、
- 1ヶ月で2.5箱=6,750円(税別)
- 1年で30箱=81,000円(税別)
となりますね。
フレーバーカートリッジはけっこうなコストがかかります。
コストが気になるときは「フレーバーなし」にするという選択もありかもしれません。
すべてのランニングコストを合計して年間コストにすると・・
ということで❶〜❸すべてのコストを合計して年間コストにすると、
28,800円(電解液)+13,400円(電解槽)+81,000円(フレーバーカートリッジ)
=123,200円(税別)
となりました。
本体が安いだけに、「意外とランニングコストかかるんだな・・」と思ってしまいました。
ケンコス3の購入を検討する際は「本体の安さ」だけにとらわれず、ランニングコストについてもしっかり理解して購入を決める必要があると思います。
ケンコス3の水素吸引器としての口コミ評価は?
ケンコス3はまだ発売されてそれほど期間がたっていないせいもあってか、口コミはそれほど集まっていません。
全般的な評価はビックカメラの通販サイトに1点だけありました。
-
★★★★★
やっと発売になりましたかなり前から予約してました。使いやすいと思いますが、水素の実感はまだありません。毎日吸ってますが、今後の効果に期待しています。
「水素の実感はまだありません」とありますが・・
先ほど確認したように、ケンコス3で吸引できる水素濃度は「0.13%」。
医療用の「1〜2%」に比べると低いですし、他の一部の市販水素吸引器(0.5〜1%ほど)よりも低くなっているので、なかなか感じにくいかもしれませんね。
(参考記事:【決定版】水素吸引器の選び方|価格・口コミ・持ち運びOKなど、吸入効果が高いおすすめはどれ?)
また消耗品については、
★★★★
どのくらい使えるのかなケンコス2より長持ちするみたいですが、もう少し安くなってくれると助かります。
(電解槽についての口コミ|ビックカメラ.com)
個セットで割引価格とか出ないかなぁ~と
今後のコストパフォーマンスに期待します。(専用電解液についての口コミ|ビックカメラ.com)
★★★メンソールちょっと弱めかな
タバコのフレーバーメンソールに比べると、かなり弱い感じがします。
もう少しメンソール感が欲しいです。(フレーバーカートリッジ「キシリトールメンソール」についての口コミ|ビックカメラ.com)
こんな口コミが上がっていました。
やはり「ランニングコストがもう少し安くなってほしい」という感想はあるみたいですね。
ケンコス3はどんな人におすすめ?他の水素吸引器とも比較してみると・・
さて、これまで「ケンコス3」について詳しく見てきました。
最後に、
「結局のところ、ケンコス3は買う価値があるの?」
「どんな人にケンコス3はおすすめなの?」
ということを確認するために、私が今使用している水素吸引器「H2ヒーラー」と様々な点を比較してみたいと思います。
ケンコス3とH2ヒーラーを比較してみる
まずは一覧表で比較してみます。
ケンコス3 | H2ヒーラー | |
---|---|---|
価格(税込) | 39,500円(税別) | 129,000円(税別) |
水素ガス濃度 | 0.13% | 1% |
吸引法 | 口から | 鼻から |
連続吸引 | 5分まで(20分以上間隔あける) | とくに制限なし(基本1回30分) |
サイズ(mm) | 幅55x 高さ130.5x厚み24 | 幅75x幅65x高さ245 |
1年間のランニングコスト(試算・税込) |
■通常使用の場合: ■水素のみ使用の場合: |
11,400円(税別) ※3〜6ヶ月に1回交換するカートリッジフィルター3本分の価格 |
ケンコス3の場合、水素ガス濃度と吸引時間は少なめ
先ほどもお伝えしたとおり、水素吸引での水素濃度の参考になるのが、現在医療用つかわれている「1〜2%」という水素ガス濃度です。
医療では18時間とか24時間ぶっ続けで吸引しつづけるので同じ条件とはいえませんが、H2ヒーラーのような「水素ガス濃度1%」の吸引器だと「少なくとも水素濃度的には医療用に負けていない」といえます。
ケンコス3は0.013%という水素ガス濃度だけでなく、吸引時間も限られてくるため、
「水素吸引による長期的なメリットを最大限受け取りたい」
という方であれば、ケンコス3よりH2ヒーラーのような機器のほうがオススメできると思います。
ケンコス3は本体は安いがランニングコストはかかる
また本体の安さが特徴的なケンコス3ですが、この記事でみてきたとおり「必要なランニングコスト」は小さくありません。
コスト面で比べてみても、初期費用が12万円以上かかるH2ヒーラーと比べて、必ずしもコスパに優れているわけではないこともわかると思います。
ケンコス3がおすすめなのは、外出先でスタイリッシュに水素補給したい人
ではケンコス3はどんな人におすすめできるのか?というと、
- 外出先でスタイリッシュに水素吸入したい人
- 自宅にしっかりした水素吸引器があって、外出先でも吸引したい人
こんな方ですね。
「がっつり水素吸引のメリットを受け取りたい」という方にはもっとすぐれた水素吸引器がありますが、「鼻カニューラをつける必要がある」「大きくて持ち運びが難しい」といったデメリットがあり、外出先で水素吸入するにはハードルがあります。
ケンコス3の水素吸引器としての最大の強みは「コンパクトさ」「かっこよさ」です。
水素濃度は低めですが、いつでもどこでも水素吸入したいというニーズには適した水素吸引器といえるでしょう。
まとめ
以上、今回は電子タバコタイプの水素吸引器「ケンコス3」について詳しくご紹介してみましたが、いかがでしたでしょうか?
水素吸引に興味をもつ人が増え続けるなか、毎日の生活にスタイリッシュに水素吸引をとりいれることができる「ケンコス3」の登場で、水素吸入ユーザーはさらに増えていくと思います。
ただ、「医療にも使われている水素ガス吸入のメリットを、最大限受け取りたい」という方であれば、他の水素ガス濃度の高い吸引器を検討してみるのもいいでしょう。
自分の目的にあわせて、最適な水素吸引器を選んでいきたいですね。