「水素にはさまざまな働きがある」といわれていますが、現状まだ医薬品ではない水素・水素水製品に「〇〇の効果・効能がある」とうたうことは法律で禁じられています。
そこで、このページでは動物を対象にした研究のなかで確認されている水素と水素水についての事実をまとめてみました。
今後水素や水素水に期待できる内容についての参考にしていただければと思います。
動物への効果は「ある」と断言できるレベルに
2017/1現在までに動物を対象にした水素研究の学術論文は、すでに400報を超えています。
対象となっている動物も、
犬、豚、マウス、ハムスター、ラット、モルモット、馬
など小型・中型・大型かを問わず、多くの種にわたって普遍的な効果が観察されています。
ほぼすべての臓器で効果が確認されている
そしてモデルとなった動物の病気の種類は150種、対象となった臓器も
- 脳
- 神経
- 眼
- 耳
- 筋肉
- 口腔
- 胃
- 腸
- 心臓
- 血管
- 精巣
- 血液
- 膵臓
- 腎臓
- 肺
- 肝臓
- 皮膚
- 骨
などなど、ほとんどすべての臓器が対象になっているんですね。
少なくとも水素の実験動物に対する効果は揺るぎない真実の領域に達しています。
(出典:太田成男著『続・水素水とサビない身体』2017年小学館)
日本医科大学の太田成男教授が著書のなかでこのように述べられているとおり、動物実験においては「水素の効果はまちがいない」といえるレベルに達しているようです。
「動物の大きさにかかわらず、また臓器の種類にもかかわらずこれだけの効果が観察されている」
という事実からすると、私たち人間にたいする効果も期待したくなってしまいますよね。
今後は人を対象にした臨床試験が必要になってくるわけですが、すでに臨床試験の論文も20報以上発表されています。
今後を見守っていきたいですね。
これまでに公開されている「人にたいする臨床試験」の内容は、以下の記事でまとめていますので、興味のある方はご覧になってみてください。
動物にたいしてわかっている効果
それでは動物にたいして確認されている効果を、研究内容といっしょに見ていきたいと思います。
1.炎症の抑制
炎症には慢性のもの、急性のものがありますが、慢性・急性問わず水素の効果が観察されています。
実際の研究の例
『マウスのアトピー性皮膚炎にたいする水素のポジティブな効果』
この研究ではアトピー性皮膚炎の状態にしたマウスにたいして水素水を飲用水として与え、ただの精製水を与えたグループと比較しました。
その結果・・
炎症を引き起こす「炎症性サイトカイン」が有意に減少し、アトピー症状が改善
精製水を与えたグループとは有意な差がみられた
このことから水素水の飲用がアトピー性皮膚炎の治療に有効であることが示唆されるとされています。
実験室内の研究では、水素には炎症を引き起こす「炎症性サイトカイン」というホルモンのような物質を抑制する作用もあることがわかっています。
慢性の炎症は老化の原因になることがわかっているので、アトピー等だけでなく老化抑制にも期待がもてるということになるのかもしれません。
2.パーキンソン病・認知症など、神経細胞がかかわる疾患
パーキンソン病や認知症は、脳の神経細胞が死滅することによって引き起こされる疾患です。
脳の神経細胞死滅の原因のひとつは活性酸素による酸化ストレスなんですね。
宇宙一小さな分子である水素は、ビタミンCやビタミンEなど他の抗酸化物質が届くことができない脳へも届くことから、脳の酸化ストレスへのはたらきが期待されています。
研究の例
この研究は2011年に発表されたわりと古い部類に入る研究です。
このような動物を対象にした研究が土台となって、その後の人を対象とした臨床研究につながっています。
規模はまだ小さいですが動物実験と同じような結果が得られており、今後のより大規模な臨床試験にも期待がもてそうです。
3.糖尿病、動脈効果、肥満などのメタボ症状
水素をからだにとり入れことで分泌がうながされるある種のホルモンがあります。
このホルモンは糖尿病や動脈硬化、高血圧、肥満といったメタボ関係の疾患に影響力をもっているため、水素との関係についての研究がすすめられています。
研究の例
『1型糖尿病モデルマウスの発症を、電解水素水が予防する』
『水素水飲用によって肝臓からのFGF21ホルモン分泌が促進され、マウスのエネルギー代謝を刺激することで肥満・糖尿病を改善する。』
水素を体内に取り入れると、肝臓から「FGF21」というホルモンの分泌が促進されます。
このFGF21というホルモンは空腹時に分泌されるホルモンで、「飢え」にそなえて脂肪をエネルギーに変換することをうながします。
こうしてエネルギー代謝が活発化することによって、メタボ症状が改善するというメカニズムが観察されているんですね。
4.骨粗鬆症
女性は更年期になると女性ホルモンが減少します。
女性ホルモンであるエストロゲンは骨を丈夫にする働きがあるため、更年期のエストロゲンの減少にともなって、骨がスカスカになってくることがあるんですね。
ラットを使ったある研究によると、情勢更年期のエストロゲン減少による骨粗鬆症を水素が防止することが示唆されています。
研究の例
Hydrogen water consumption prevents osteopenia in ovariectomized rats.
『水素水は卵巣を摘出し、エストロゲンが減少したラットの骨減少を予防する』
卵巣を摘出し、エストロゲン分泌が低下したラットはエストロゲンの減少によって誘発された酸化ストレスによって骨密度が減少していきます。
卵巣摘出ラットに水素水を3ヶ月飲ませたところ、分泌されたエストロゲンの量に変化はありませんでしたが、骨密度の減少は有意に抑えられる結果となりました。
このことから、水素水を飲むことによる閉経後の骨粗鬆症予防へのはたらきが示唆されます。
5.放射線被爆 の影響を軽減する
水素水を飲むことによって、致死量の放射線を浴びたマウスが生き残るという研究があります。
研究の例
The potential cardioprotective effects of hydrogen in irradiated mice.
『放射線を照射されたマウスにたいする水素の心臓保護効果の可能性』
7000ミリシーベルトの放射線を照射すると、通常であれば90%のマウスが2週間以内に死亡します。
ところが事前に水素水の飲ませていたマウスの場合、2週間たっても10%しか死亡せず、その後も80%が生き残りました。
放射線による障害のほとんどが、最凶の活性酸素である「ヒドロキシルラジカル」によって引き起こされます。
水素はヒドロキシルラジカルだけを選んで取り除いてくれるという特長があることから、その効果をたしかめるためにこの実験がデザインされたそうです。
(参考:放射能対策に水素が有効?)
6.老化の抑制
最後に、これは病気ではありませんが、動物の老化抑制にたいして効果があるという研究です。
研究の例
『水素水はラットの光による網膜損傷を軽減するが、これは長寿遺伝子といわれる「サーチュイン1」が活性化することによって引き起こされる』
「サーチュイン遺伝子」とは、活性化すると寿命が伸びるといわれている遺伝子で「長寿遺伝子」とも呼ばれています。
水素にはこのサーチュイン遺伝子を活性化するはたらきがあることを、この研究は示唆しています。
「長寿遺伝子」が活性化されるとしたら、夢のある話ですよね。
『ラットの老化による心臓・腎臓障害が、電解水素水によって軽減される』
水素水の長期飲用にともなって、老化にともなう心臓・腎臓への障害の改善が観察されています。
このような研究をみると、人の老化にたいしても何らかのはたらきがあることを期待せずにはいられなくなりますね。
まとめ
以上、今回は水素の効果について、動物を対象にした研究内容からわかっていることをご紹介してみました。
具体的な研究内容について知れば知るほど、水素への期待感が大きくなってきますね。
人を対象にした研究についてはまた別の記事でまとめてみたいと思いますので、そちらも参考にしていただければと思います。
【追記:人にたいする臨床研究はこちらの記事でまとめています。】