水素ガス吸入療法の最前線!先進医療B認定やクリニックでの水素吸入療法まとめ

水素吸入

2016年12月に「水素ガス吸入療法」が厚生労働省の先進医療Bに認定されました。

この記事では、先進医療に指定された水素ガス吸入療法とはどんな治療なのか?

そして先進医療以外でも、すでに各医療機関で行われている「水素ガス吸入療法」について、その内容をご紹介します。

 

先進医療Bに認定された「水素ガス吸入療法」って?

厚生労働省によって先進医療Bに認定された「水素ガス吸入療法」の概要については、以下のように記載されています。

先進医療技術名:水素ガス吸入療法

適応症:心停止後症候群
(院外における心停止後に院外又は救急外来において自己心拍が再開し、かつ、心原性心停止が推定されるものに限る。)

技術の概要: 成人院外心停止後患者のうち、自己心拍再開後も昏睡が持続する患者を対象とし、集中治療室で18時間2%水素添加酸素を人工呼吸器下に吸入する。この間、ガイドラインに準拠した集中治療を行う。

(参考:先進医療の各技術の概要|厚生労働省

難しくてよくわかりませんね・・^^;

先進医療の水素ガス吸入療法をおこなっている慶應義塾大学病院のホームページに、もっとわかりやすい説明がありました。

それによると、以下のように述べられています。

・水素ガスは様々な病気や病状にたいして効果のあることが動物実験で示されてきました

・水素ガスは体内で様々な有害物質を無毒化できるのではないかと期待されています

→今回の心停止後症候群では、主に脳の機能に焦点を当てて、心停止になった時の脳の酸素不足のダメージを水素によって軽減しようとするものです。

(参考:水素ガス吸入療法|慶應義塾大学病院

管理人KON
管理人KON

つまり、一時的に心臓がとまってしまったときの「酸素不足」による脳へのダメージを、水素ガス吸入で軽減しようという治療だといえます。

 

一時的な心停止があった場合、脳へのダメージにより、生存率やその後の社会復帰の可能性がいちじるしく低下してしまうという現状があります。

水素ガス吸入療法には、このダメージを軽減することで、患者の生存率と社会復帰の可能性を高めることが期待されています。

 

使用する水素ガスは「2%濃度で18時間」

使用する水素ガス濃度については、「2%濃度の水素ガスを18時間吸入」となっています。

この「2%」という濃度がどういう濃度かというと、通常の空気中の水素ガス濃度は約0.00005%なので、通常の約4万倍の濃度ですね。

 

ちなみに水素ガスは空気中の濃度が約4〜75%の場合、燃焼の可能性が生じるといわれています。(参考:水素の安全利用|電気設備学会誌

水素ガス吸入方法は、燃焼の危険性のない水素ガス濃度でおこなわれているわけです。

 

「先進医療B」の水素ガス吸入療法は全国16の医療機関で実施

現在のところ、先進医療Bの水素ガス吸入療法は全国17の医療機関ですすめられています。(2020年1月現在)

▼水素ガス吸入療法(先進医療Bとして)を実施している全国の医療機関一覧

東京都慶應義塾大学病院
山口県山口県立総合医療センター
山口県独立行政法人 地域医療機能推進機構 徳山中央病院
京都市独立行政法人国立病院機構京都医療センター
静岡県順天堂大学医学部附属静岡病院
鹿児島県鹿児島大学病院
神奈川県川崎市立川崎病院
広島県広島大学病院
香川県香川大学医学部附属病院
熊本県国立病院機構熊本医療センター
鹿児島県鹿児島市立病院 
京都府京都第二赤十字病院 
神奈川県藤沢市民病院 
三重県三重大学医学部附属病院 
東京都昭和大学病院 
山口県山口大学医学部附属病院 

※最新の情報については厚生労働省のホームページ(先進医療を実施している医療機関の一覧)にてお確かめください。

 

YUIさん
YUIさん

ここにあげられている医療機関に行けば水素ガス吸入療法が受けられるの?

管理人KON
管理人KON

いや、臨床試験として二重盲検法(患者も医師も水素ガスが入っているかどうか知らない状態で治療をおこなう)で行われているし、対象も「心停止後症候群」に限られているので、ここに行けば水素ガス吸入療法が受けられるわけではないよ。

 

一般の疾患や病気予防としての水素ガス吸入療法については、このあとあらためてご紹介します。

 

水素が効果をもたらす作用機序については・・「悪玉活性酸素の除去だけでは説明がつかない」

さて、先進医療に指定された水素ガス吸入療法は、水素のどのような性質に期待されているのでしょう?

水素といえば、細胞やDNAを傷つける「ヒドロキシルラジカル」という酸化力の強い「活性酸素」を無毒化するはたらき(抗酸化)が有名ですが、

が、水素ガス吸入によって観察される効果は、抗酸化だけでは説明がつかないほど「良すぎる」もののようです。

慶應義塾大学の佐野元昭教授によると、

 
 

水素ガスは、悪玉活性酸素を除去する作用だけでは説明できない、実に多面的治療効果を発揮します。

ということで、水素ガス吸入療法の臨床研究だけでなく、水素ガスが治療効果を発揮するメカニズムを解明するための基礎研究の充実も必要とされています。

現在までにわかっている「水素の効果」については、以下の記事も参考にしてみてください。

 

 

 

「先進医療B」以外でもすすめられている水素ガス吸入療法の臨床試験

厚生労働省に認定された「先進医療B」としての水素ガス吸入療法は

「心停止後症候群」

に対しての治療のみですが、それ以外でもおこなわれている臨床試験の例があります。

 

「肺移植後の虚血再灌流障害の治療」大阪大学医学部附属病院

肺を移植する際、血流が途絶えていたところにふたたび血液がドッと流れ始めると、そこに大量の「活性酸素」が生じます。

この活性酸素によるダメージが「虚血再灌流障害」と呼ばれ、肺移植後の機能不全の原因となっています。

大阪大学附属病院の呼吸器外科では、虚血再灌流障害による臓器へのダメージを軽減するために、「水素ガス吸入療法」をもちいた臨床試験をすすめています。

(参考:水素吸入による肺移植後虚血再灌流傷害に対する治療|大阪大学呼吸器外科

 

「アルツハイマー型認知症への有効性」西島病院

静岡県沼津市にある西島病院では、脳神経外科の小野博久医師のもと、水素ガス吸入療法をもちいた臨床試験が複数すすめられています。

そのひとつが「アルツハイマー型認知症」の方を対象にした、水素ガス吸入とリチウム内服併用治療の効果と安全性を調べる以下の臨床試験です。

 

「水素分子投与と認知症の関係」については、動物実験で「水素水による認知症発症予防効果がある」という研究があります。

(参考:水素水のマウスにおける認知機能の低下予防作用 ・ 水素豊富水のマウス認知症に対する発症予防効果

「アルツハイマー型認知症の原因のひとつは酸化ストレス」(参考:水素によって認知症を予防できるか?|日本医科大学太田成男教授)ともいわれており、アルツハイマー型認知症への水素吸入の効果に期待がもたれています。

 

「急性期脳梗塞症例の治療」西島病院

同じく西島病院でおこなわれているもう一例が「急性脳梗塞症例の治療」です。

こちらも動物実験においては、「水素ガス吸入によって脳へのダメージが大きく軽減される」という状況が観察されており、人の脳梗塞症例への効果についても期待がもたれています。

(参考:Hydrogen acts as a therapeutic antioxidant by selectively reducing cytotoxic oxygen radicals.|NCBI

 

「がん(全般)に対する、水素吸入器を用いた、治癒・改善の多施設共同研究」日本先進医療臨床研究会

全国97の病院・クリニックで構成される医師団体『日本先進医療臨床研究会』では、未承認の新しい治療法などを患者との同意契約のもと治療にとりいれ、治療効果の確認や症例報告の積み上げをおこなっています。

その一環として、

『がん(全般)に対する、水素吸入器を用いた、治癒・改善の多施設共同研究』

という臨床研究がすすめられています。

水素吸入をもちいたがん治療で75.7%の高い有効率

なかでも熊本県玉名市の「玉名地域保健医療センター」でおこなわれた37名のがん患者を対象にした治療では、

・奏効率32.4%
・臨床的有効率75.7%

と、非常にポジティブな結果がでています。

(参考:水素吸入療法【全がん種】研究部会|日本先進医療臨床研究会

がん治療への適用はこれからもすすめられていく可能性がありそうですね。

 

水素ガス吸入療法を取り入れている日本全国のクリニック

ここまでみてきたような先進医療への適用、臨床試験における結果等をふまえ、「自由診療」として水素ガス吸入療法を取り入れているクリニックも増えてきています。

ここでは水素ガス吸入療法を取り入れている日本全国のクリニックについてご紹介します。

※自由診療なので治療費はクリニックによって異なります。

リンク先に詳しい情報がありますので、参考にしてみてください。(表は横スクロールできます)

名称場所公式サイトの関連ページ適応疾患など
札幌麻酔クリニック北海道札幌市水素療法慢性疲労・ストレス・生活習慣病・循環器疾患・がん・前立腺肥大・不眠・冷え性・白内障
皿沼クリニック東京都足立区水素吸入療法生活習慣病・不眠・冷え性・花粉症・白内障・アトピー・疲れ・ストレスなど
辻クリニック東京都千代田区水素治療疲労回復・糖尿病・動脈硬化・脳卒中・脳梗塞・心筋梗塞・メタボリック症候群など
青山からだのクリニック東京都港区水素療法疲労回復・糖尿病・脳卒中・心筋梗塞・アトピー性皮膚炎など
星子クリニック東京都港区水素吸入・水素点滴エイジングケア・病気予防・疲労回復・美容
医療法人きむら内科クリニック神奈川県川崎市水素療法外来脳・筋肉・気管支・肺などの症状にたいする補助的治療
飛鳥メディカルクリニック三重県津市水素ガス吸入療法
みうらクリニック大阪市北区水素吸入がん治療
よろずクリニック鳥取県鳥取市水素吸入療法がん治療
桑島内科医院香川県東かがわ市水素吸入老化・動脈硬化・心筋梗塞・疲労・肩こり

ごらんのように、各クリニックは「水素ガス吸入療法」に効果が期待できる適応疾患として、以下のようなものをあげています。

  • 慢性疲労
  • ストレス
  • 生活習慣病
  • 循環器疾患
  • がん
  • 動脈硬化
  • 心筋梗塞
  • アトピー性皮膚炎
  • 白内障
  • 病気予防
  • 美容

どれもまだ研究中であったり、動物実験の段階だったりと、間違いなく効果が確定しているものではありません。

が、水素吸引を含め「水素をとりこむこと」には副作用がないことから、積極的にすすめられている部分があるのだと思います。

 

まとめ

以上、この記事では

・先進医療として進められている水素ガス吸入療法
・水素吸入をもちいてすすめられているその他の臨床試験
・水素吸入療法が受けられる一般のクリニック

についてご紹介しました。

先進医療を含め、臨床試験として進められている水素ガス吸入療法は「無作為」「二重盲検」といった条件があるため、こちらが希望してもやってもらえない可能性があります。

「水素ガス吸入療法を受けたい」という場合は、最後にご紹介した一般のクリニックから検討されるとよいでしょう。

また、自宅で毎日のように水素吸引ができる家庭用の水素吸引器の人気も高まっています。

これについては「どのように選べばいいのかわからない・・」という方のための記事もありますので、よかったら参考にしてみてくださいね。

 

 

 

 

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