「水は『H2O』なんだから、ふつうの水道の水にも水素『H2』は入ってるでしょ」
といった話があります。
もしそうだとしたら「水素水」として販売されている製品はすべて詐欺ということになってしまいますが、これは水素医学の観点からは誤りです。
なぜなら酸素(O)と結合して水(H2O)になっている状態と、水素分子(H2)はまったく性質が異なるからですね。
水(H2O)を飲んでも体内で水素(H2)にはならない
水の化学式のなかに「H2」があるのでまぎらわしく感じる方もいるかもしれませんが、「H2O」(水分子)と「H2」(水素分子)の性質はまったく異なります。
また、水を飲んだあとに体内で「H2O→H2とOに分解される」といった反応も起こりません。
水は体内にはいってもH2Oとして結合したままであって、水素(H2)としてのはたらきをすることはないんですね。
つまり水素(H2)を体内に届ける媒体が水(H2O)ということですね。
ちなみに「水素水」という名称が先行して広まっていったため勘違いされることが多いですが、水素水はたとえば「〇〇波動水」のように「水がすごい」といわれているわけではありません。
あくまで「水素分子」の生体内でのはたらきが注目を集めているわけで、
水素水は、
- 水素分子を体内に届けるために水に溶け込ませたもの
- 水素分子を体内に届ける方法のひとつにすぎない
ということを覚えておいていただければと思います。
「水道水にも微量の水素が含まれている」という話について
別の話で、
「水道水やミネラルウォーターにも微量の水素分子が溶け込んでいるので『水素水』といえなくもない」
と言われることもあります。
たしかに水素水には「水素濃度が何ppm以上」といった公的な定義がないため、「水素分子が完全にゼロではないからこれも水素水です」と言い張られるとどうしようもありません。。
実際、ペットボトルで販売されている(自称)水素水のなかには水素が検出されないものもありますが、そのような業者の言い逃れの材料になっているのが、
- 現状、水素水に水素濃度の基準がない
- 水道水やミネラルウォーターにもわずかながら水素分子が含まれている
ということです。
水道水やミネラルウォーターに含まれる水素量は、市販の水素水の100万〜200万分の1
ただ、水道水やミネラルウォーターに含まれる水素量がどれくらいかというと、市販の水素水の100万〜200万分の1というごくごく微量にとどまっています。
市販の水素水には水道水の100万〜200万倍の水素が含まれているわけで、これらをいっしょに語ることはできませんよね。
水素の臨床研究がさらに進んでいけば、「〇〇ppm以上であれば効果が期待できる」という基準もよりはっきりとしたものがでてくると思います。
水素水についての混乱を防ぐため、なるべく早く「水素水の定義は水素濃度〇〇ppm以上」といった公的な基準が確率されていくことを期待したいです。