今回は、開業医である和久晋三医師の著書『地上最強の水素健康法』についてご紹介します。
幼少期に病気やケガを繰り返し、「元気になりたい」「人にも元気であってほしい」という強い思いを抱き続けてきた和久医師が、長年の臨床経験を経てたどり着かれたのが『水素療法』でした。
本書では、水素療法の素晴らしい可能性と、和久医師が経験されてきた症例の数々について語られています。
実はこの和久医師の幼少期のエピソードには、私自身大いに共感を覚えました。
私も幼い頃から体質が弱く、より良い健康法を模索する中で水素に出会ったという経験があるからです。
詳しくは私のプロフィールをご覧ください。
和久医師ご自身の経験からくる「元気でいたい」「皆に元気であってほしい」という想いが、この本に込められていると感じます。
この記事では、本書で和久医師が解説する水素療法の可能性、そして水素を生活に取り入れるための実践法などについて、その概要をご紹介してみたいと思います。
ぜひ水素を生活に取り入れる上での参考にしてみてください。
著者 和久晋三医師について
『地上最強の水素健康法』の著者である和久晋三医師は、兵庫県丹波市出身の開業医で、30年以上にわたる臨床経験を誇ります。
和久医師が院長をつとめる和久医院ホームページ:https://waku-hishiya.com/
昭和36(1961)年、兵庫県丹波市生まれ。金沢医科大学医学部卒業後、兵庫医科大学第一内科(現・循環器内科)・CCU勤務、国保作東診療所(現・美作市立作東診療所)、兵庫医科大学篠山病院(現・兵庫医科大学ささやま医療センター)等を経て、平成18(2006)年和久医院院長。
兵庫医科大学非常勤講師、日本抗加齢医学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医、日本旅行医学会認定医、国際水素医学研究会会員、Medical HSP.HSS.HSC Counselor、オーソモレキュラー・ニュートリション・ドクター、ゆびのば体操指導医、丹波市健康づくり推進協議会医院、丹波市介護認定審査会委員。
著書に『こんな医者に診てほしい』(文芸社)『いつもいっしょ』(ポンポン出版)がある。「健康な方をより健康に、健康でない方もより健康に」をモットーに、先進医療、予防医学にも力を入れている。
(和久晋三著『地上最強の水素健康法』2024年 株式会社ワニ・プラス 巻末より引用)
和久医師が水素療法にたどり着いた経緯
和久医師が水素療法に注目するようになったその元を探ると、ご自身の幼少期に遡るそうです。
病気やケガを繰り返し、入退院を繰り返していた経験から、「どうすれば健康でいられるのか」を追求し続けてきたとのこと。
そんな和久医師が水素療法を取り入れる直接的なきっかけとなったのが、2022年7月、水素療法を取り入れている「よろずクリニック」(鳥取県)の萬院長から紹介された、60代のパーキンソン病を患う女性の症例でした。
日常生活でも歩行が困難だった彼女が、水素吸入を開始してわずか半年後にはスキップができるまでに回復した驚くべき事例を目の当たりにし、水素療法への確信を強めたそうです。
その後、ご自身でも水素吸入療法を中心とした治療法を取り入れ始めた和久医師は、
次々と同様の改善例が出てきており、水素吸入療法の効果は、論より証拠ではないですが、もう疑う余地がないところまできていると思います。(本文より)
と語り、臨床現場での水素の活用を広げられています。
本書『地上最強の水素健康法』では、そんな驚きの症例の数々と、水素のもつ可能性が語られています。
『地上最強の水素健康法』の主なトピック
以下に、本書で扱われている主なトピックについてご紹介します。
❶ 水素の働きと体への影響
本書の前半では「水素とは何か?」という基礎的な疑問に答えながら、抗酸化作用、抗炎症作用、免疫力向上といった水素の働きを詳しく解説しています。
悪玉活性酸素を無害化する水素の力が身体にとってどのように役立つのか、また抗酸化作用にとどまらない水素の様々な働きについて語られています。
本書の目次から、どんな水素の働きが語られているのかをざっと見てみると・・
- 水素の抗酸化作用
- 水素の抗炎症作用
- 水素のアレルギー抑制作用
- 水素の免疫力アップ作用
- 快眠と水素
- 血流増加作用
- 血糖への影響
- 水素の脂質合成抑制作用
- 水素の再灌流障害抑制作用
- しみ、くすみ、しわも軽減
- 水素を吸うと寿命が延びる?
- 水素の血栓形成抑制作用でコロナにも打ち勝つ
- 水素と創傷治癒について
すごい・・!
こうしてみると、まだ治療法として国に認められていないとはいえ、水素には大きな可能性があるのがわかるよね。
水素を生活に取り入れる上で、あらかじめ「どんなことが期待できるのか」というイメージをもっておくために、とても役に立つ内容だと思います。
❷ 水素療法の症例紹介
本書のもうひとつの大きなコンテンツが、和久医師が実際に臨床現場で経験された症例紹介です。
こちらもいくつかご紹介すると・・
- 82歳 女性 軽度認知症・高血圧
- 80歳 男性 不眠症
- 3歳 女児 アトピー性皮膚炎
- 46歳 女性 気管支喘息
- 58歳 女性 子宮頸がん末期
- 82歳 男性 大腸がん遠隔転移
- 47歳 男性 男性機能の低下・倦怠感
・・・などなど。
ここに上げたのは本書で紹介されている症例の一部ですが、実際に水素療法によってどのような変化があったのかについては、ぜひ本書をご覧になってみてください。
私たちが水素を生活に取り入れるための実践的なアドバイスも
本書ではさらに、私たちが水素をどのように生活に取り入れるかについての実践的なアドバイスについても詳しく書かれています。
様々な水素療法とその特徴
まず「どのような方法で水素を取り入れればいいのか?」について、さまざまな水素療法のメリット・デメリットについての解説がされています。
水素療法には水素吸入療法・水素サプリ・水素点滴・水素水・水素風呂とたくさんあります。それぞれに利点・欠点があります。
和久晋三著『地上最強の水素健康法』2024年 株式会社ワニ・プラス より引用
水素吸入の利点
中でも「水素吸入」の利点としては「(研究は進行中で、さらなる検証が必要だが)あきらかに脳の血流は改善する」という点が挙げられており、脳の血流が改善すると以下のような作用があるとされています。
- 酸素と栄養の供給増加
- 認知機能の向上
- 疲労や頭痛の軽減
- 脳の老化予防
- 脳における回復力の向上
こういう話を聞くと、ぜひとも水素吸入やってみたい!って思えるね。
このように大きな利点が考えられる水素吸入ですが、その「弱点」として触れられているのが、「それなりの機械(水素吸入器)が必要」という点で、その水素吸入器の選び方についても和久医師によるアドバイスが語られています。
水素吸入器を選ぶ際のポイント
和久医師は水素吸入器を選ぶ際のポイントとして、以下の点に触れています。
- 重量級か小型軽量タイプか
重量級は取り扱いが大変だが、水素ガス発生量や耐久性についてメリットがある
- 水素ガス発生量
少量でも体調は改善するが、疾病の治療となると水素量の多い重量級を使用することになる。ただし、水素発生量が多ければいいというわけではない(今のところ、上限は800〜1,300ml/分くらいが適量)
「水素発生量が多ければいいわけではない」というのは、意外と知られていないので大事なポイントですね。
参考記事:水素吸入器の水素ガス発生量、最適なのはどれくらい?【要注意】多ければいいとは限らない
管理人KONが気づいた補足ポイント
和久医師がされている実践的なアドバイスについて、いくつか私なりに補足したい点があったので、それについて書いてみたいと思います。
❶ カニューレ内に水滴がつく問題
水素吸入器の弱点のひとつとして、
長時間吸入を続けるとカニューレ内にどうしても水滴がたまるので、これを手押しポンプで毎回除去するのがひと苦労
という記述がありました。
これは和久医師がクリニックで使用されているハイセルベーターET120(水素ガス発生量:1,300ml/分)等ではたしかに起こることですね。
参考記事:ハイセルベーターET120(ET100/HX90/PF72)を体験してみた!|医療にも活用されているヘリックスジャパンの水素吸入器口コミ体験談
この問題について、最近の機種では対応も進んでいて、宮川路子教授のクリニックで使用されている『Hhuhu【ふふ】』のように、水素ガスの『湿度調整機能』によって、カニューレ内に水滴がつくのを防止できる吸入器も登場しています。
Hhuhu【ふふ】についての詳細記事:医療用レベルの家庭用水素吸入器Hhuhu【ふふ】実機レビュー|水素ガス発生量500ml/分を体験してみた
このような機能をもった吸入器の登場により、今後はさらに水素吸入をやりやすい環境が整っていくのではないかと思っています。
❷「工業用」が危険という指摘について
本書の中では、「工業用のイオン交換膜」を使った水素吸入器について、そのリスクが指摘されています。
「何をもって【工業用】と呼ぶか?」という点については、私が知る限り、各水素吸入器メーカーの間でも共有されておらず、消費者が混乱する一因になっているように思います。
ただ、和久医師がここでおっしゃっている「工業用のイオン交換膜」の定義は明確で、
フッ素系ポリマーで加工され、耐久性を高めたイオン交換膜
を指しています。
和久医師は、このフッ素系イオン交換膜を使った水素吸入器について、「生成するガスに有害なフッ素化合物が混じる危険がある」と指摘されています。
しかし、この点についてさらに調査を進めた結果、水素吸入器の通常の使用環境においては、フッ素化合物がガスに含まれるリスクは極めて低いのではないか?ということが見えてきました。
フッ素系イオン交換膜を水素吸入器で使うリスクについて
たとえば、東ソー株式会社の資料(参考資料:東ソー「フッ素系ポリマーの特性と応用」PDF)を確認すると、
「フッ素系イオン交換膜(代表例:Nafion)は高い耐久性と安定性を有し、水素吸入器のような通常の使用環境下では、フッ素化合物の漏出リスクはほぼない」
ことが読み取れます。
たしかに「極端な高温・長時間運転など、極端な使用条件下」ではフッ素化合物漏出のリスクはゼロではないかもしれませんが、一般的な水素吸入器の電解槽寿命(4000-5000時間)を考えても、
「フッ素系イオン交換膜を使用している=危険」と単純に断定するのは適切ではない
といえると思います。
多くの水素吸入器で採用されている「PEM式電解法」ではフッ素系イオン交換膜(Nafion)の使用が一般的ですが、PEM式の多くの水素吸入器では第三者機関による成分解析で安全性が確認されています。
(参考:水電解技術は日本勢が巻き返し 東レはNafion越えの電解膜を開発)
和久医師の記述の背景
和久医師が本書で「工業用(フッ素系)イオン交換膜のリスク」を指摘された背景について、和久医師に直接伺ってみました。
背景としては、先生のお知り合いの方が「ある水素吸入器」を使用して体調を崩されたため、機械を分解して調査したところ、「フッ素系イオン交換膜が使われていた」というお話があったことが元になっているそうです。
このエピソードは興味深く貴重な情報ですが、特定の事例に基づいているため、一般的なリスクとして捉えるのは慎重であるべきと感じています。
それよりも、和久医師も本書で書かれているように「安価な水素吸入器をあまり考えずに選んでしまう」ことのほうが、リスクとしては大きいのではないでしょうか。
安価な製品のリスク
これはスイスピとしての見解ですが、安価な製品には以下のようなリスクがあると考えます。
- 材料や部品の品質に問題がある可能性
安価な製品では、ガス発生部品やイオン交換膜の品質が低いものが使用されている可能性があります。このような部品が原因で、有害物質を含むガスが発生するリスクがゼロではない可能性が生じます。
- 水素純度や成分解析結果が公開されていない
安全で信頼できる水素吸入器は、水素純度が99.995%(5Nに近い)など、高純度を達成していることが一般的です。しかし、安価な製品の中には、純度が十分に高いかどうかのデータが明確でないものもあります。
- 保証やサポートが十分でない
安価な製品では、故障時のサポートや、製品の性能を保証する仕組みが十分でない場合があります。
❷についていうと、例えばこちらの機種では、発生する水素ガスの純度が99.995%(5Nに近い)であることが確認されています。
純度が高いことで、不純物がほぼ含まれない水素を吸入できるため、安心して使用することができます。
「5N」って何?
5Nとは、99.999%、つまり9【Nine】が5個並んでいて、非常に高い純度ということだよ。
例にある「99.995%」という表記はほぼ5N(99.999%)に近い純度を示していおり、水素ガスとして非常に高い安全性が確保されていると考えられます。
水素吸入器の「工業用」や「フッ素系」というワードについて
というわけで、繰り返しになりますが、
「(その定義もあいまいな)工業用」や「フッ素系」という言葉で、製品を危険と判断することは適切ではない
というのがスイスピとしての見解です。
多くのPEM式水素吸入器に採用されているフッ素系イオン交換膜は、高い耐久性と安定性を備えており、家庭用水素吸入器のような通常の使用環境下ではリスクが極めて低いことが確認されています。
そのため製品の安全性を判断する際には、単に「工業用」や「フッ素系」といったラベルにとらわれるのではなく、その製品から生成されるガスの「水素純度」や「成分解析結果」を重視すべきだと考えます。
生成されるガスに有害成分が含まれていなければ安全といえるわけね。
まとめ
以上、今回は和久医師の著書『地上最強の水素健康法』をご紹介しました。
和久医師が30年以上の臨床経験からたどり着いた水素吸入療法の可能性について、多くの示唆を与えてくれる一冊です。
特に「水素が体に与える影響」や「実際に和久医師が経験された症例」については、健康意識の高い方にとって大変参考になる内容だと思います。
また、著書の中で触れられている「フッ素系イオン交換膜」については、私も調査を通じてより深く考える機会をいただきました。
水素吸入器の安全性においては、製品から生成されるガスの「水素純度」や「成分解析結果」をしっかり確認することが大切だという結論を、スイスピとしては提示したいと思います。
和久医師が幼少期から抱いてきた「元気でいたい、みんなにも元気でいてほしい」という想いは、きっと多くの人の心に響くものがあるでしょう。
本書を通じてそのメッセージに触れ、水素を健康のために取り入れるヒントを見つけていただければ幸いです。