慢性腎臓病とは何らかの原因で慢性的に腎臓がダメージを受け続ける疾患で、今日本においては約1,330万人もの患者がいるといわれています。
実に成人の8人に1人という高い割合なんですね。
今回は水素の摂取が慢性腎臓病対策に役立つ可能性について示唆する研究をご紹介してみたいと思います。
また記事の後半では「水素水のなかでも腎臓によくないタイプの”水素水”がある」という話をしていますので、こちらもぜひ参考にしてみてください。
対策が難しい慢性腎臓病
慢性腎臓病は以下のような特徴により、発症後の対策が難しいといわれています。
- 自覚症状が出にくく、気がついた時にはかなり悪化してしまっているケースが多い
- 失われた腎臓の機能は元には戻らない
- 症状がすすむと「腎不全」(腎臓が機能しなくなり透析が必要になる)だけでなく、脳卒中や心筋梗塞など、即命に関わる障害につながる恐れがある
このような慢性腎臓病にたいして、もしなんらかの予防策があるのだとしたら、とてもありがたい話ですよね。
慢性腎臓病の原因は?
慢性腎臓病とは腎臓が慢性的にダメージを受け続ける状態なので、これといったはっきりとした原因があるというわけではありません。
高血圧やメタボリックシンドロームなど、生活習慣病の影響で、徐々になりやすいともいわれています。
はっきりした原因がわからないから、予防対策もむずかしいわけね。。
ラットを使用した実験で慢性腎臓病予防に光明が
このように対策が難しい慢性腎臓病の予防に、水素が役立つ可能性が生まれています。
- 東北大学大学院医学系研究科創生応用医学研究センター先進統合腎臓科学コアセンター
- 整水器メーカーの日本トリム
この両者の共同研究の成果が、2011年にヨーロッパの腎臓・透析移植学会の学会誌(Nephrology Dialysis Transplantation)に掲載されました。
その内容は以下のようなものでした。
水の電気分解によって得られる高濃度の水素水を「慢性腎臓病モデル」のラットに飲用させた。
対照グループとして、別の「慢性腎臓病モデル」ラットには、通常の浄水を与えた。
その結果、水素水を与えたラットでは、腎臓および心臓の炎症や酸化ストレスの進行が有意に抑えられることがわかった。
つまり、
「高濃度水素水を飲むことによって、腎臓と心臓の炎症・酸化ストレスによるダメージから守られた」
ことが実験で明らかにされたんですね。
そしてこの成果を発表したプレスリリースでは次のように結んでいます。
このことは、水素を含む電解水素水が慢性腎臓病の心腎連関障害を予防する可能性を示しており、今後、新たな 予防対策として展開することが期待されます。
あくまでラットによる研究ではありますが、慢性腎臓病の予防に水素が効力をもつ可能性が示されたわけです。
慢性腎臓病には「酸化ストレス」への対処が大事
このプレスリリースには、
(慢性腎臓病には)酸化ストレスと慢性炎症が関わっていることが知られているものの
有効な治療手段は限られるため、新たな予防・治療対策が切望されてきました
という記述があります。
この記述のように慢性腎臓病に「酸化ストレス」「慢性炎症」が関係しているのだとすれば、優れた抗酸化力と抗炎症作用をもつ水素分子が役立つことは十分想像できます。
今後さらに研究がすすめられて、人間の腎臓病にたいする水素のはたらきについても明らかにされることを期待したいですね。
水素水でも「アルカリイオン水」の場合は腎臓に悪い?
さて、今回ご紹介したような研究を知って、
腎臓のために水素水を試してみよう!
と考える方もいるかもしれません。
が、水素水のなかでも「アルカリイオン水」に分類されるもの(パナソニックの「還元水素水」、日本トリムの「電解水素水」など)には注意が必要です。
アルカリイオン水(日本トリムの「電解水素水」、パナソニックの「還元水素水」)は腎疾患に向かない
ちょっとややこしいのですが、「アルカリイオン水」と「水素水」の関係は下の図のような感じです。
大きな水素水のカテゴリーの一部に「アルカリイオン水」(日本トリムの「電解水素水」、パナソニックの「還元水素水」)が含まれるというイメージですね。
アルカリイオン水の特徴については日本トリムについてご紹介した下の記事でくわしくご案内していますが・・
アルカリイオン水の特徴として、
- 高いアルカリ性をしめす
- ミネラル濃度が高い
といったものがあります。
この中の「ミネラル濃度が高い」という特徴は腎臓への負担が大きくなってしまうため、
腎臓疾患の人は使用しないでください
とされているんですね。
腎不全、カリウム排泄障害などの腎臓疾患の方は電解水素水を飲用しない。
出典:日本トリム公式サイト【安全上のご注意】
日本トリムやパナソニックも参加している「アルカリイオン整水器協議会」の公式サイトにも、
腎臓に障害がある人は、飲用前に医師に相談のこと。また、腎不全やカリウム排泄障害などの腎疾患の人は、アルカリイオン水を飲用しないこと。
出典:アルカリイオン整水器協議会
このような注意がされています。
腎臓のために水素水サーバーを検討するなら「アルカリイオン水」ではない水素水サーバーを
というわけで、もし腎臓のために水素水サーバーを検討されているなら、水素水をつくるプロセスでミネラル濃度が上がることのない
「アルカリイオン水ではないもの」(水素水生成に特化した水素水サーバー=日本トリム・パナソニック以外の製品)
がおすすめということになります。
たとえば東証一部上場の㈱トーエルが展開している水素水サーバーは、通常のウォーターサーバーの水に「水素発生器」で発生させた水素をその場で充填しているため、アルカリイオン水のようにミネラルが高くなることはありません。
「超軟水」を使うとさらに良い
さらにトーエルの水素水サーバーは使用している水もROフィルターで不純物を99.9%ろ過した「超軟水」なので、腎臓のために水素水を考えている方には特におすすめできます。
▼トーエルの水素水サーバーについてはこちらで詳しくご紹介しています。
まとめ
以上、今回は慢性腎臓病対策に水素が役立つ可能性と、「一部の”水素水”はかえってよくない可能性がある」というお話についてご紹介しました。
「よくない」理由はミネラル分の多さなので、たとえば「水素吸入」で水素を摂り入れるのであれば問題はなさそうです。
また水素水を使用する場合も、日本トリムやパナソニック以外のほとんどの水素水サーバーはアルカリイオン水ではないので、選択肢はいろいろあると思います。
▲こちらの記事では水素水サーバーの選び方とおすすめ機種について書いていますので、よかったら参考にしてみてください。