水素は、たとえ水に溶けたとしても『すぐに抜けてしまう』ので、水素水にはほとんど水素分子が含まれないのでは?
という意見を聞くことがあります。
たしかに水素は抜けやすいという話はよく聞きますが、実際のところ「どれくらいの時間で」抜けるものなのでしょうか?
今回は、
- 水素水をコップに入れた場合
- アルミパウチ水素水
- アルミパウチを開栓した後
- ペットボトルに入れた場合
- 水素風呂
など、それぞれの場合でどれくらいで水素が抜けてしまうのかについてまとめてみました。
「水素水は急いで飲まないといけないの?」
という疑問をもっている方の参考にしていただければと思います。
水素水の水素が抜けやすい理由
まず水素水のなかの水素が「抜けやすい」といわれる理由を確認しておきましょう。
水素水は、
- 水に水素分子を高濃度で溶け込ませたもの
ですが、水素分子は『宇宙一小さい分子』といわれるように非常に小さいものです。
そして分子には「大きさ(分子量)が小さいほど動きが速くなる」という性質があるため、水素は非常に動きが速い分子ということになるんですね。
この「分子の小ささ」「動きの速さ」が水素の抜けやすさにつながっています。
(ただし水や空気のなかでは他の分子とぶつかり合うため、秒速1.7kmといったすごいスピードで抜けていくわけではありません。)
コップに入れた水素はどれくらいの時間で抜ける?
それではまず、
水素水サーバーでつくった「できたての水素水」
をコップに入れた場合、どれくらいで水素が抜けるかを確認してみましょう。
急いで飲み干す必要はあるのでしょうか?
コップの水素水は3時間で約半分の水素濃度に
太田成男日本医科大学名誉教授の著書によると、
『水素水をコップについで3時間くらい経つと、水素は抜け出て半分になります』
という記載があります。
コップに入れたからといってすぐに抜け出てしまうわけではないんですね。
食事の時間にあわせてゆっくり飲んでもまったく問題ないといえるでしょう。
▼「水素水サーバーでつくった水素水を保存して外に持ち出したい」場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
アルミパウチ水素水を開栓したらどれくらいの時間で抜ける?
水素分子は非常に小さいため、水素を保てる水素水の容器は「アルミニウム製」のものだけだといわれています。(先述の太田教授の著書より)
そのアルミニウムを使い、かつ空気のスキマもなくしたのが、水素水の容器として一般的な「アルミパウチ容器」です。
このアルミパウチ容器に入った水素水の場合、一度開栓するとどれくらいの時間で水素は抜けていくのでしょうか?
アルミパウチ容器は「キャップを締めなおす」ことでさらに保存期間が伸びる
アルミパウチ容器のキャップを開けっ放しにした場合、コップに入れた場合とそれほど大きな違いはないと思われます。(3時間で水素濃度半分程度に。)
ですがアルミパウチ容器の場合、
- キャップを閉めなおす
- 閉める際に空気をできるかぎり抜く
このようにすることで、より長いあいだ水素濃度を保つことができます。
『開封後の保存方法について』
1. 容器本体を押して、中から空気を押し出します。
2. 水素水が飲み口からこぼれる状態まで押し出し、キャップをきちんと閉めて下さい。
3. 容器を振り、中から「チャポチャポ」と大きな音が出なければ、きちんと空気が抜けている状態です。
※音がする場合は、空気が入っている可能性があります。【ご注意】
何回かに分けて飲む場合は、水素が抜けてしまわないよう、必ずキャップを締めて保管してください。(出典:浸みわたる水素水公式サイト https://www.abist-hf.com/product/)
「空気を抜いてキャップを閉めなおした場合の水素濃度の変化」については、いくつかの製品が測定値を公表しています。
製品名 | 水素濃度の変化 |
---|---|
浸みわたる水素水 | 24時間後に約90% |
キヨラビ | 8時間後に約90% |
ビガーブライトEX | 48時間後に約90% |
このように製品によって違いはあるようですが、
「だいたい1日以内に飲めば、それほど水素濃度の低下は気にしなくていい」
といえそうです。(キャップを閉め直して飲用した場合)
開栓前のアルミパウチ水素水はどれくらいの時間で水素が抜ける?
では次に
開栓前のアルミパウチ水素水
についてみてみましょう。
アルミパウチ水素水は「水素の抜け具合」にもとづいて「賞味期限」が決められている
水素がもっとも抜けにくいアルミパウチ容器といえども、水素はすこしずつ抜けていきます。
そのためアルミパウチ水素水製品では「水素が十分残っている期間」をもとに賞味期限が定められています。
逆に言うと「賞味期限内であれば十分な水素濃度が保たれている」といえます。
【アルミパウチ水素水の賞味期限の例】
では実際の商品の賞味期限はどうなっているのでしょうか?
例をみてみましょう。
浸みわたる水素水 (アビストH&F) | 製造日から4ヶ月 |
---|---|
結&縁 (メディソル) | 製造日から3ヶ月 |
ビガーブライトEX (マハロ) | 製造日から4ヶ月 |
高濃度水素水 (伊藤園) | 製造日から9ヶ月 |
このように一般的には「4ヶ月前後」が多いですが、伊藤園の『高濃度水素水』のような「さらに水素が抜けにくい工夫」がされている製品はさらに長い賞味期限になっています。
ペットボトルに入れた水素水はどれくらいで水素が抜ける?
ペットボトルは基本的に水素水の容器としてはおすすめできません。
ペットボトル(プラスチック)の場合、小さな水素分子はカンタンに抜けていってしまうからです。
「コップに開けた水素水でも3時間後に半分は残っている」のですぐに抜けるわけではありませんが、「(製造から時間がたっている)ペットボトルで販売されている水素水」は、製品として論外といえるでしょう。
▲ペットボトルで販売されている水素水はいまだにあるようです。
週刊文春の水素濃度実測企画でも、「ペットボトルで販売されている水素水」は水素濃度:0ppmという残念な結果になっています。
市販の水素水を購入する場合はペットボトル容器の商品は選ばないようにしましょう。
自宅でつくってペットボトルに入れる場合は?
「水素水生成スティック」を使って自宅で水素水をつくってペットボトルにいれる場合はどうでしょうか?
水素水スティックは入れっぱなしが基本
基本的にスティックは入れっぱなしで使用します。
当然容器はペットボトルなので水素は抜けていくのですが、
- 新たに発生する水素>抜けていく水素量
という状態が保たれるため、抜けていく水素を気にする必要はないんですね。
水素が抜けていく以上に、ペットボトル内にスティック型の水素発生器が水素を水中に発生させ続けておりますので、絶えずペットボトル内に水素を補充をし続けております。
(出典:ドクター水素水公式サイト)
水素風呂から水素が抜けていく時間はどれくらい?
では最後に
水素風呂
についても見ておきましょう。
私自身が初めて使用した水素入浴剤「ナノH2スパ」には次のような注意書きがありました。
入浴剤投入後、3時間以内をめどに入浴してください。
水素が抜けていくことを考慮しての注意書きだと思うのですが、実際に3時間後の水素濃度を実測してみました。
水素風呂の水素濃度の変化を実測してみた
詳しくはこちらの記事にも掲載していますが、結果は
- 水素入浴剤を入れて30分後:1.0〜1.2ppm
- 水素入浴剤を入れて3時間後:0.5〜0.7ppm
というものでした。
たしかに抜けていってはいますが、3時間後であってもそこそこな水素濃度を保っています。
水素入浴剤は「タイプ」によって水素発生時間が異なる
ちなみに「ナノH2スパ」は炭酸マグネシウムを利用した水素入浴剤ですが、他に「水素化マグネシウム」を利用した水素入浴剤もあります。
このタイプはより持続時間が長く「8時間水素を発生し続ける」ので、家族の人数が多いなど「より長い間水素風呂の水素濃度を保ちたい」方であればこちらのほうがいいかもしれません。
まとめ
以上、今回は水素水製品全般における「水素の抜ける時間」についてまとめてみました。
「水素はすぐに抜けてしまうから水素水は意味がない」という指摘は正しいとは言えず、水素水サーバーやアルミパウチ水素水を利用すれば問題ないことがおわかりいただけたと思います。
水素水に溶け込んだ水素は無色無臭で目に見えないので、ある程度疑心暗鬼になってしまうのは仕方ないかもしれません。
今回お伝えした内容を参考に、メーカーの信頼性なども考慮しながら、間違いのない水素水製品を選んでいただければと思います。