水素分子は目に見えない、無味無臭の気体です。
それをいいことに、
「ほとんど水素が入っていない(発生しない)」
にもかかわらず販売されている水素水や水素製品が、残念ながらあるようです。
そこで今回は、水素水や水素製品の
「ホンモノと偽物をどうやって見分ければいいのか?」
という点について検証してみた結果をシェアしてみたいと思います。
「販売されている水素水」のホンモノ?偽物?見分け方
まず「できあがって販売されている水素水」について、そのホンモノ・偽物の見分け方からみてみましょう。
上の画像は週刊文春に掲載された水素水特集「水素濃度実測企画」で、編集部と日本医科大学がそれぞれ、さまざまな水素水製品の水素濃度を測定したものです。
ごらんのように、「溶存水素濃度0ppm」であるにも関わらず「水素水」として販売している商品がこの時点ではあったんですね。
このような詐欺まがいの水素水=ニセモノをつかまされないためには、最低限おさえておくポイントが3つあります。
- 「水素分子が溶け込んだ水素水」とは関係のないマガイモノはさける
- アルミパウチ容器の水素水を選ぶ
- 0.8ppm以上の水素濃度を目安に
ひとつずつ見ていきましょう。
❶ 「水素分子が溶け込んだ水素水」とは関係ないマガイモノはさける
2007年に日本医科大学太田教授によるNATURE MEDICINE誌に掲載された論文以降、水素水や水素医学の研究がもりあがって来ました。
この流れで研究がすすめられているのは「水素分子」の効果についてです。
一方で、数年前の水素水ブームのなかでは、
「マイナス水素イオン」「活性酸素」「プラズマ水素」「水素イオン」
など、水素分子とはまったく関係のないものがひとくくりにして混在してしまっていました。
ここにあげたものたちは水素医学の研究とはまったく関係がないものなので、これらのキーワードをうたった商品はさけたほうがいいでしょう。
❷【アルミパウチ容器】の水素水を選ぶ
水素分子は宇宙一小さいため、他の「からだによい物質」が入っていけない身体のすみずみまで浸透することができます。
ですがその分、水に溶かしても「抜けやすい」というデメリットがあります。
そのため、「水素をすでに充填した水素水」として販売されているものは「容器の材質」に気をつけないといけません。
ペットボトル水素水はNG
先ほどの週刊文春の実測企画で「水素濃度0ppm」だった水素水は、いずれも「ペットボトル容器」でした。
水素分子はペットボトルはカンタンに通過してしまうため、0ppmは当然といえます。
↑詳しくはこちらの記事で書いていますが、現状もっとも水素を逃しにくい容器として採用されているのは「アルミパウチ容器」です。
「アルミが水素を通しにくいのなら、アルミ缶でもいいの?」
と思われるかもしれませんね。
アルミ缶の場合内部に空間があるため、そこに水素が抜けていってしまい、十分密封できてないと考えられます。
というわけで「できあがっている水素水」を購入する場合は、最低限【アルミパウチ容器】の水素水をえらぶようにしましょう。
ちなみに・・水素水スティックでつくる水素水はペットボトルだけど大丈夫?
「ペットボトルだと水素が抜けていく」というと、ペットボトルに水をいれてつくる水素水スティックは意味がないのか?という疑問が湧きますよね。
(参考記事:水素水スティックってどう?|コスト面のメリットは大きいがデメリットも)
ペットボトルで水素水をつくるとたしかに水素は抜けていきますが、水素水スティックの場合は「スティックを入れている限り、新しく水素が発生し続ける」ため、
新しく発生する水素量 > 抜けていく水素量
となっています。
水素水スティックを入れたままにしておかないといけませんが、スティックを入れておけば水素がゼロになることは避けられるんですね。
ただし水素水スティックでつくる水素水はもともと水素濃度は低めになります。(一般的には0.2-0.6ppm程度)
❸ 水素濃度は0.8ppm以上がひとつの目安
水素水の定義は「水素分子が溶け込んだ水」のことなので、実質「何ppm以上の濃度」という規制はありません。
そのため、水素がほんのちょっとでも溶けていれば「水素水」とうたうことができなくはないんですね。
でもあまりに濃度が低すぎては当然効果は期待できません。
参考になるのが、水素医学のパイオニアである太田成男日本医科大学名誉教授がおっしゃっている「0.8ppm」という濃度。
とりあえずこの0.8ppm以上の濃度があれば、安心して飲める水素水といえます。
▲こちらは先ほとと同じ週刊文春の2016年の水素濃度実測企画の結果ですが・・
「アルミパウチ容器の水素水」でも0.8ppmに満たない製品がありますね。
「0.8ppmをきったらただちに効果がない」ともいえませんが、製品によってバラツキがあるので同じアルミパウチ水素水でも製品選びが大事といえます。
水素水サーバーのホンモノ・偽物はどうやって調べる?
では次に水素水サーバーの見分け方についてみてみましょう。
「できあがっている水素水」であれば、高くてもひとつ500円くらいなので、万が一失敗しても、まあ耐えられます。
でも1台10万円を超えるような「水素水サーバー」の場合、絶対に商品選びに失敗したくないですよね。
これまで目にした情報のなかで、さすがに「水素濃度0ppmだった!」という話は聞いたことがありませんが、製品によって意外と水素濃度にバラツキがあるのも事実です。
水素水サーバーによってけっこう異なる水素濃度
もう一度、週刊文春水素濃度実測企画の結果を見てみましょう。
左半分が「水素水サーバー/ポット」の一覧です。
水素濃度は0.39〜1.6ppmと、こちらもバラツキがけっこうありますね。
「電解水素水」「還元水素水」は水素濃度低め?
ここでちょっとびっくりするのが、0.39ppmといちばん水素濃度が低いのが、あの「パナソニック」の機種だという点。
大企業の製品なのになぜ水素濃度が低いのでしょう?
「アルカリイオン整水器」でつくるアルカリイオン水は「水素濃度低めの水素水」
実はパナソニックの機器は、2007年以降の水素医学の発展にともなって開発されてきた「水素水サーバー」とは別の流れでつくられてきた機器です。
もともとは何十年もの歴史がある、「アルカリイオン整水器」だったんですね。
アルカリイオン整水器でつくるアルカリイオン水には、その性質上水素分子がいくらか含まれています。
そのため、2007年以降の水素医学の発展にともなって、
「アルカリイオン整水器」→「電解水素水整水器」
と名前をかえて呼ぶようになったようです。
ただ、アルカリイオン水は水素分子をいくらか含むとはいえ、その性質上水素濃度は高くても0.3-0.4ppm程度にとどまります。
この点は「日本トリム」の機器も同様で、詳しくは下の記事で書いていますので参考にしてみてください。
「高濃度水素水」をのぞむなら・・
ということでパナソニックなどもともと「アルカリイオン整水器」だった機器は、「水素水サーバー」としてはちょっと物足りない可能性があります。
決して「ニセモノ」ではありませんが・・
その分、アルカリイオン水には国に認められた「胃腸症状への効果」があります。
詳しくはこちらの記事で→『日本トリムの電解水素水整水器ってどう?』
もしあなたが「高濃度の水素水サーバー」をのぞんでいるのであれば、2007年以降の水素医学の発展にともなって開発されてきた水素水サーバーをおすすめします。
実際に自分で水素濃度を調べる方法はある?
ニセモノかどうか?を判断するためには
「自分で手元にある水素水の水素濃度を実測する」
という方法も考えられます。
水素濃度の目安がわかる「メチレンブルー溶存水素濃度判定試薬」
「水素濃度なんて自分で測れるの?」
と思われるかもしれませんが、「メチレンブルー溶存水素濃度判定試薬」というものを使用することで、(精確ではないものの)ある程度の濃度の目安を測ることができます。
▲メチレンブルー溶存水素濃度判定試薬 1,620円(税込)
実際ウチでも水素水を飲み始めた当初はこの試薬を使って水素濃度を確認していました。
メチレンブルーは酸素が交じると正確には測れないので要注意
ただこのメチレンブルー試薬は、水素水のなかに酸素がまじっていると正確な水素濃度を図ることができません。
そのため、電気分解で水素を発生させるプロセスで酸素が混じってしまう一部の水素水サーバーでは使えないので注意が必要です。
メチレンブルーが使えない電気分解式の水素水サーバーはどうすればいい?
電気分解のプロセスで酸素が混じってしまい、メチレンブルーが機能しない水素水サーバーの水素水はどうやって実測すればいいのでしょう?
この場合は数万円レベルの本格的な計測器を使うしか手はないかもしれません。
あるいは本当に信頼できるメーカー・販売会社の製品を使うことですね。
メーカーさんがわざわざ実測に来てくれた例
「信頼できるメーカー・販売会社の製品を使う」という点で、参考になる口コミがあります。
こちらの記事でもご紹介した、「ガウラミニ」を購入されたある方の話。
自分でメチレンブルーで水素濃度を計測したところ、
1.0ppmあるはずなのに0.3ppmしかない。。
ということで、販売元の「株式会社ガウラ」にクレームの連絡をされたそうです。
すると、
- 上記のとおり、メチレンブルーでは正確に測れないこと
- 不良であれば交換するので、交換品と水素濃度計測器をもってご自宅にうかがいたい
という回答をもらったそうなんですね。
そして実際に家に来てもらい(東京から東海地方の家まで)、メチレンブルーで低い数値がでた水素水を正規の計測器ではかったところ、無事に1.0ppmの濃度だとわかったんだそうです。
わざわざここまでやってくれる会社なのであれば、安心して購入できると感じます。
実際、この口コミも決め手になって、ウチでもガウラミニを導入しました。
会社の姿勢みたいなものは問い合わせなどの対応にもあらわれるはずなので、気になる水素水サーバーがあった場合は事前にいろいろ問い合わせてみるのもアリだと思います。
まとめ
以上、今回は水素水のホンモノと偽物の見分け方についてまとめてみました。
もう一度まとめると、
- 「活性水素、水素イオン」など、水素分子以外のキーワードをうたった商品はさける
- アルミパウチ容器の水素水を選ぶ
- 0.8ppm以上の水素濃度を目安に
- もともと「アルカリイオン整水器」だったものは水素濃度が低めなのを理解しておく
- メチレンブルー試薬が使えない場合もあるので注意
- 信頼できるメーカーの製品を使うしかない
こんな感じですね。
国からのはたらきかけもあったおかげで、数年前に比べると全体の製品レベルはずいぶんあがってきた印象があります。
これからもよりよい製品が世に出回っていくよう期待していきたいですね。
Image courtesy of Stuart Miles at FreeDigitalPhotos.net